合鍵(あいかぎ)
合鍵とは元となる鍵から複製したキーのことを言い、純正キーとスペアキーの2種類があります。純正キーとは各鍵のメーカーが製造した純正品の鍵のことで、鍵には「MIWA」「GOAL」「SHOWA」「ALPHA」「WEST」などの鍵メーカー名と「1111A2222B」という10桁ほどの鍵番号が刻印されています。刻印されている鍵番号を元にメーカーに注文すると純正キーの合鍵を作成することができます。
スペアキーのスペアとは「予備」を意味し、日常的に使っている鍵とは別に保管している代替えの鍵を言います。スペアキーは、ホームセンターや鍵の専門業者などで作成できます。最近はネットで合鍵を作成するサービスもあり、鍵の写真と鍵番号のみで合鍵を作ることが可能です。作成方法は鍵の形状をコピーした後ブランクキーと呼ばれる溝のない状態の鍵に溝を彫り込んでいきます。
ブランクキーは鍵のメーカーや種類別に販売されており、合鍵を作製する鍵の形によって使い分けられます。「TS」「GSS」「G&S」「FUKI」「TLH」「MISTERMINIT」などブランクキーの製造メーカー名や品番が刻印されており、鍵番号は「H760」「F111」など3桁ほどと短くなっています。
純正キーの合鍵の断面は白銅色で、スペアキーの断面は真鍮にメッキ加工してあるブランクキーを削って作成するため、黄色っぽい色になり違いが一目でわかります。純正キーの合鍵はオリジナルで精密な作りであるため、作成に時間がかかり費用も高めです。それに対して鍵の業者などが作成するスペアキーは短時間ででき安価なのがメリットですが、純正キーの合鍵に比べて精度が低いと言われています。
純正キーとスペアキーのどちらの合鍵でもドアの鍵の解錠や施錠は可能ですが、スペアキーは作成時に多少の誤差が生じます。さらにスペアキーを元にして作成した合鍵を日常的に使用していると、小さな誤差が積み重なり鍵穴のなかが少しずつ削り取られていきます。そうすると鍵穴に合鍵が刺さりにくいもしくは抜けにくい、回しにくいといった違和感を感じるようになります。そのまま使い続けていると鍵穴自体が故障し、合鍵作成だけではなく鍵穴の交換も必要となります。このようなトラブルを避けるためにも、合鍵はスペアキーからではなく純正キーから作成するようにしましょう。
鍵のなかにはディスクシリンダー錠やピンシリンダー錠など比較的容易に合鍵を作成できるものと、ディンプルキーのように合鍵を作成することが難しい鍵があります。 住宅の玄関などに採用されているディスクシリンダー錠は、鍵の内部に円盤状のタンブラーとスプリング、ピンが入っており、鍵山に沿ってピンが動くことで解錠できます。ピンタンブラー錠はシリンダー内の上部にピンタンブラーがあり、鍵山が片側のみについています。これらの合鍵は作成時間が短く手軽に作れますが防犯性が低いと言われています。
鍵の表面に穴のあるディンプルキーは非常に精密な造りをしている鍵であり、ピッキングされにくく非常に防犯性が高いため近年では多くの住宅などに採用されています。ただし機材や技術力の問題などにより、ディンプルキーの合鍵を作れる業者は少ないとされています。 合鍵を作成したい場合は鍵の業者などへディンプルキーの合鍵が作れるか事前に問い合わせ、作成できない場合はメーカーに連絡するのがいいでしょう。なお登録制のディンプルキーの場合は、メーカーに事前にユーザー登録をするか、物件の所有者確認をしないと合鍵を作成できないものがあるため注意しましょう。