アイホン(あいほん)
アイホンは、1948年に創業し愛知県名古屋市に本社がある、電気機器メーカーのアイホン株式会社が開発し製造・販売しているインターホンです。アイホン株式会社は、日本国内のみならず海外にも支店を置きインターホンを販売しています。
アイホン株式会社は、主に戸建て住宅やマンションなどの集合住宅向けのインターホンやドアホン、オフィスや工場向け各種通話機器、医療・福祉施設向けのナースコールなどを取り扱っています。アイホンの住宅向けインターホンには、家の中のどこにいても来訪者の応対ができ、二世帯住宅間でのやり取りも可能なモニター付ワイヤレス子機対応テレビドアホンがあります。
外出先でもスマートフォンから来訪者への対応が可能で、さらに宅配ボックスとの連動やスマートスピーカーとの連携など、便利な機能が登載されているスマートフォン連動型テレビドアホン 、万が一の火災やガス漏れなどの災害に備え、防犯・防災の各種機器とインターホンが連動できる非常ボタン付きテレビドアホンなどがあります。
集合住宅向けのインターホンシステムとして「見る」「使う」「つながる」「確認する」の4つを楽に行うことができる「らくタッチdearisシステム」があります。このインターホンシステムを導入すれば、例えば「見る」では業界最大タッチパネル式の7型ワイド画面でパノラマワイド映像やオートズーム機能を利用して来訪者やその周辺を確認することが可能です。
オフィスや工場向けの業務用インターホンではIPネットワークに対応することにより、これまでのインターホンではできなかったことを実現しています。「オフィスが広く出入口が複数ある」「工場の敷地が広い」などの理由でこれまでカメラ付インターホンシステムが導入できなかった場合でも、アイホンのインターホンであれば端末の接続台数や距離に関係なくひとつのシステムで構築しチェックできます。
また各所に設置したカメラ映像を解析することにより業務の効率化やセキュリティ強化を図りたい場合も、ドアホンのカメラを高画質化することにより顔認証システムなどを活用しそれらを実現できます。
インターホン業界ではトップシェアを誇るアイホン株式会社は「アイホン」という商品名を商標登録しています。このアイホンという名称は、iPhoneを販売している世界的企業であるアップル(Apple)社と関わる有名な逸話があります。1954年、アイホン株式会社は当時の社名である「愛興高声電話機合資会社」から「愛」の一文字を取り、インターホンのホンと組み合わせた「アイホン」という商品名を商標登録しました。その後1959年には社名も「アイホン株式会社」としました。
アップル社がアメリカにおいて初代iPhoneを発表したのが2007年1月、翌年7月には「iPhone 3G」で日本市場に参入しました。アップル社は発表前の2006年は日本で「iPhone」の商標登録を申請しましたが、アイホン株式会社のアイホンの登録商標に類似しているとの理由から特許庁に申請を取り下げられました。
その後アップル社は自社による商標登録を断念し、アイホンから独占的使用権を得るために交渉しました。その結果アイホン株式会社は、iPhoneのカタカナ表記を「アイフォーン」とすることを条件に「iPhone」の商標をライセンス契約しました。現在においても、アップル社はアイホン株式会社に商標使用料を支払い、商品名を使用しています。