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生体認証(せいたいにんしょう)

生体認証とは電気錠や電子錠を解錠する際の認証方法のひとつです。電気錠は電気の力で鍵の開け閉めをする錠のことで、電子錠は電池の力で施解錠を行います。電気錠や電子錠を解錠するための認証方法として人間の体の一部を使うのがバイオメトリクスと呼ばれる生体認証です。事前に個人を特定できる身体的な特徴を登録し、読み取ったデータと照らし合わせることで本人か判別する認証の種類になります。
 
生体認証はいずれの種類も人間の身体的特徴を登録して認証させるので、不正な解錠や複製がしづらくセキュリティ性の高い認証方法です。またパスワードを入力する必要がない認証の種類であるため、ログインがスムーズに行えます。生体認証は、身体的特徴で個人を判別する認証の種類であるため、体調の変化や周囲の環境によって認証精度が落ちることはほとんどありません。個々の生体情報は、漏洩されるリスクも限りなく少ないと言えます。生体情報は一生変わらないものなので、生体認証技術を使うときの生体情報の管理には、厳しいセキュリティ対策が必要となります。
 
電気錠や電子錠の生体認証には「顔認証」「指紋認証」「虹彩認証」「静脈認証」「音声認証」などの種類があげられます。認証の種類によっては電子錠の展開が難しいものもあります。顔認証はあらかじめ撮影して登録しておいた顔と、カメラに映った利用者の顔が一致すると解錠します。顔認証は、人が相手を判別する手段をシステムで実現した身近な生体認証の種類です。目や鼻、口の位置や大きさなどをもとに本人か判別します。認証方式としては2D顔認証と3D顔認証の2種類があります。2Dは平面的に認識するため、髪型やメイクが変わると生体認証できないことがあります。一方3Dは立体的に認識するため髪型やメイクが変わっても認証でき、2Dよりも生体認証の精度が高いと言えます。またなりすましが難しいため、セキュリティ性の高い生体認証の種類になります。照合時の顔画像をログとして残し、管理者が確認することも可能で、不正を抑止する効果が期待できます。鍵やパスワードが不要であることや、顔をカメラに近づけるだけで生体認証できることから利便性にも優れています。さらにカメラがあれば生体認証できるため、専用の装置が不要であることも導入時のメリットです。
 
指紋認証もあらかじめ指紋を登録しておき、認証装置に指を当てて指紋が一致すると解錠するもので、iPhoneなどスマートフォンにも搭載されている認証方法です。指紋認証は電気や電池の力を利用して照合する生体認証の種類です。指紋は表面がデコボコしています。指はわずかに汗をかいており、汗には電気を通す性質である電解質が含まれています。指紋センサーに直接触れると、指紋のデコボコに電気が反応し、指紋画像データが作られます。照合には指紋の全てを使用するのではなく、数十個の特徴点を比較することで判別が可能です。指紋センサーに指をあてるだけで生体認証できるため簡単ではありますが、指の怪我や手荒れによって指紋がうまく読み取れずに認証できないという場合もあります。ただし複数の指を登録しておくことで、対策できます。また指紋は他人が簡単に取得できる生体情報の1種類であるため、セキュリティ面ではまだ課題があります。指紋認証を使用する場合は2種類の生体認証を用いたり、パスワードを設定します。
 
虹彩認証は人間の黒目の周りの色がついているところ、虹彩部分を登録して照合する認証の種類です。カメラで撮影した虹彩画像から個人特有の虹彩コードを作り、登録済みの虹彩コードと照合する仕組みとなります。人間の虹彩は人によってすべて異なり2歳からほぼ変化がないため、1度登録しておくと再登録の必要がありません。片目での生体認証も可能ですが、左右の目で虹彩が異なるため、両目での認証も可能です。双子でも虹彩が異なるためなりすましの危険性が低く、認証精度の高さがメリットとなります。ただし照明のあたり方次第では、生体認証の精度に影響を与えます。
 
静脈認証は人間の静脈パターンを登録しておき、手のひらや指先などから静脈パターンを読み取って一致すると解錠します。センサーに手のひらや指をかざし、赤外線などを照射して静脈パターンを読み取る生体認証の種類です。静脈の形状や分岐点は変化しにくいため、生体認証に使用されています。体内にあるため盗まれる危険性が低く、偽装も極めて困難です。さらに直接触れない非接触方式のセンサーが多く、衛生面で安心して生体認証を行えます。
 
音声認証は、スマートスピーカーなどに使用される生体認証の種類です。音声認証は事前に声を登録し、生体認証装置であるマイクに声を発することで、周波数による違いを判別して認証する手段です。口や喉の形は人によって違い、発する声も異なるため生体認証に使用されます。マイクがあれば生体認証できるため手軽ですが、風邪などで声が登録時と違っていたり、周囲の雑音が入ったりすると認証できないことがあります。

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