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バイパス解錠(ばいぱすかいじょう)

バイパス解錠とは、不正解錠のひとつで「カム送り解錠」とも呼ばれています。バイパス解錠は、2002年ごろから多くの被害が報告されていて、鍵穴から直接攻撃するピッキングとは異なる新たな不正解錠の手口として注目を集めました。バイパス解錠は、ドアノブと鍵穴部分のシリンダーが別々になっているケースロックという錠が狙われやすいのが特徴です。バイパス解錠の主な手順は、シリンダーを手前に引っ張り、シリンダーとドアの間に隙間を作ります。そこから針金状の工具を差し込むことで直接錠ケース内のカムという部分を攻撃し、カムを回すことによって鍵が開くという方法です。従来の不正解錠は、鍵穴に工具を差し込んで鍵を不正に開けるピッキングという手口が主流だったため、鍵穴に傷が残りやすく外部からの侵入を察知することが可能でした。しかし、このバイパス解錠は鍵穴からのピッキングとは違い、見た目もほぼ無傷なため外部からの侵入を察知しにくく、空き巣被害の危険性が非常に高いといわれています。
 
バイパス解錠が行われる危険性の高い錠ケースは指定されていて、警視庁では「該当危険機種」として注意を呼び掛けています。バイパス解錠の危険性がある錠ケースは国内4社が発売していて、ドアの側面に記載されている製品番号によって識別できます。製品としては、美和ロック社の「MIWA・LAMA」「MIWA・BH」「MIWA・LD」の3種類、ゴール社の「GOAL・ASLX」「GOAL・HD」の2種類、昭和ロック社の「SHOWA・397」「SHOWA・535」「SHOWA・CL-30」の3種類、HORI社の「HORI1110」「HORI1171」「HORI1210」「HORI1310」「HORI1311」の5種類となっています。MIWA社とSHOWA社のなかには、製品番号の下にアンダーバーが記載されているものがあります。これは、バイパス解錠が問題視されてから新たにバイパス解錠の対策がされた錠ケースのため、不正解錠がしづらくなっています。また、HORI社も製品番号のうしろに「D」が記載されている錠ケースの場合、バイパス解錠の対策がされているので安心して使用することができます。バイパス解錠を未然に防ぐには、このバイパス解錠対策されている錠ケースに交換することが1番適切な対策といえます。また、錠ケースを交換する際にシリンダーやディンプルキーを防犯性の高いものに交換すると、よりバイパス解錠の対策として有効です。
 
錠ケースの交換のほかにバイパス解錠を防ぐための対策としては、スペーサーリングを取り付けることです。スペーサーリングはバイパス解錠のときにできるシリンダーとドアの隙間を埋める役割があるため、スペーサーリングをつけることによって不正に鍵を解錠するのを防ぐ効果があります。しかし、実際に問題なのはシリンダーの隙間ではなく、錠前のケースが弱いことが原因でバイパス解錠されてしまうので、バイパス解錠の対策としては不十分と考えられます。そのため、シリンダー自体に鍵付きのカバーを取り付けることがバイパス解錠の対策には有効です。シリンダーにカバーを取り付けることによって、直接シリンダーに触ることができなくなるので、バイパス解錠を防ぐことができます。次にバイパス解錠の対策としておすすめなのが、ドアノブとシリンダーが一体となっている鍵に取りかえることです。長座型といわれるこのタイプの鍵は、工具を差し込むスペースがないため、バイパス解錠の対策として十分効果的です。ドアの内側に補助錠を取り付けることもバイパス解錠の対策として適しています。補助錠をつけることによって、ワンドアツーロックの状態になり、万が一バイパス解錠されてしまったとしても鍵を開けることができないので、非常に有効な対策です。リモコン式の補助錠や既存のドアチェーンに取り付けるタイプ、スマートフォンで鍵を施錠できるタイプの補助錠もあるため、ドアのタイプやライフスタイルに合わせて使いやすい補助錠を選ぶことができます。ほかにも、バイパス解錠対策用品というものも販売されており、錠ケースのなかに金具を直接はめ込み、針金がはいる隙間をなくすという商品が販売されています。このバイパス解錠対策用品は、自分で取り付けることもでき値段も安値であるため、比較的試しやすいのが特徴です。
 
バイパス解錠されやすい錠ケースが付いているドアは年々減少していますが、古いアパートなどではまだ使用している可能性があります。現在使用している錠ケースの種類を確認し、しっかりと防犯対策を行うことが大切です。錠ケースの交換の際はDIYでもできますが、ドアを破損してしまうリスクがあり、錠ケースの交換費用のほかにドアの修復費用がかかってしまうことも考えられます。そのため、専門の鍵業者に依頼して相談し、バイパス解錠の対策がされている錠ケースに交換を行います。空き巣被害を未然に防ぐためにも、鍵や錠ケースの交換以外に防犯カメラの設置や防犯センサーをつけるなどして、空き巣被害に遭わないための対策をしていくことも大切です。

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