ドアチェーン（どあちぇーん）
ドアチェーンは、ドア枠と扉の内側に取り付ける鎖状の金具で、扉が一定以上開かないようにするための防犯用品です。別名でドアガードや用心鎖ともいわれます。外開き扉に対応しているので、使用されるのは玄関や勝手口です。扉の内側にドアチェーンを取り付けておき、家のなかからチェーンをかけて使用します。同様に扉の内側に取り付ける防犯用品に、U字型をした棒状の金具もあります。この金具もドアガードの一種ですが、ドアチェーンと区別してドアバーやU字ロックと呼ばれます。棒状の金属で作られているため、ドアチェーンと比較すると劣化することも少なく、破壊されにくいため防犯性能は高くなります。
ドアチェーンは、チェーンのついた金具と受け金具の2つから作られています。ドア枠側には、チェーンのついた金具がネジで固定されています。チェーンの先端には、砂時計のような中央が細い構造をした止金具がついています。扉側には、長方形の受け金具がネジで固定されています。この金具には、止金具の細い部分が通るだけの隙間の空いたレール状の穴が開いています。レールの片側の端には止金具の太い部分も差し込めるだけの穴が開けられています。この穴から止金具をはめ込み、レールの反対側の端まで移動させることで、止金具の端の太い部分が引っ掛かり、チェーンがかかる仕組みとなっています。止金具をはめ込むときには、プッシュボタンを押す必要があり、チェーン先端の止金具とプッシュボタンが一体型になっているものと、受け金具にプッシュボタンが付いているものとがあります。どちらもプッシュボタンを押しながらでないと、チェーンの止金具がレールに入らない仕組みとなっています。チェーンを外すときも同様で、プッシュボタンを押しながらでないと外すことができません。つまり、扉の内側からしか、チェーンをかけたり外したりができないことになります。
チェーンの長さと取り付け位置によって、チェーンをかけたときの扉の開けられる幅が決まり、あまり大きく開いてしまうと防犯性が落ちるので、適切な位置への取り付けが重要です。もともとドアチェーンは、訪問販売や飛び込みのセールスなど望まない訪問者の応対時に押し入られることを防ぐ、防犯の補助的な役割として作られた金具です。相手がよくわからない人でも、ドアチェーンがあれば勝手にドアを開けられたりすることもなく、安心して応対できます。ほかにも利用の仕方はあり、ドアチェーンは小さな子どもが目を離した隙にひとりで外へ飛び出していくことも防いでくれます。チェーンをかけておけば、小さな子どもには外すのが難しく、扉を開けてしまってもチェーンの長さまでしか開かないので、扉からは出て行かずに済みます。ドアスキッパーと併用すれば、通風を良くするときにも防犯上安心です。夏場には玄関扉を少し開けておくだけで通風が良くなることがありますが、ドアチェーンがあれば外から不審者等に侵入されることもなく安心して扉を開けておくことができます。また、特殊な器具を鍵穴に差し込んで鍵を解錠するピッキングに万が一逢ってしまった場合にも、ドアチェーンがかけてあれば、在宅であることがわかるので、犯人が諦める可能性があります。万が一、侵入されたとしてもドアチェーンを突破するのに時間がかかるため、その時間で通報することができます。
ドアチェーンを新たに取り付けたい場合には、ドライバー1本で後付けができます。ただし、チェーンの長さと取り付け位置が合わないと、防犯効果を十分に発揮できないため、自分で行う場合には注意が必要です。また、賃貸住宅の場合は管理会社や大家さんへ相談しなければなりません。ドアチェーンは、手軽に防犯効果を高められますが、一方で、錆びたり劣化したりすると動きが悪くなってチェーンがかけにくくなってしまいます。最悪の場合、引っ張っただけで切れてしまうこともあるため、定期的なメンテナンスが必要となります。ドアチェーンは、工具を使えば簡単に切ってしまうことができます。インターネットで検索すれば、チェーンを外す情報もでています。ドアチェーンは、防犯性が向上しますが、あくまで補助的な防犯金具です。防犯性を高めるには、ドアチェーンだけに頼るのではなく、デメリットがあることを理解して、ほかの防犯対策と合わせて行うとより防犯効果を高めることができます。
ドアチェーンを外から外される対策として、ドアチェーンに外側から鍵をかけることができるものもあります。既存のドアチェーンに鍵だけを取り付けるものや、既存のドアチェーンの金具のネジ穴を利用して鍵付きチェーンに自分で交換できるものなどがあります。ほかにも、鍵自体をピッキングされにくいディンプルキーや電気錠に交換することも効果的です。空き巣は解錠に時間がかかる扉は嫌がるため、補助鍵を付けるだけでも防犯効果は高まります。
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