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二重認証(にじゅうにんしょう)

二重認証とは、特定の施設、オフィスなどへ入退室しようとする人物が、2種類の認証方法を用いて入退室を行うことをいいます。入退室管理システムは、施設などの出入り口に認証装置が設置され、登録情報が本人と合致することにより自動で入退室が可能となるシステムであり、 二重認証を行うことにより、施設などのセキュリティレベルが向上し、防犯性を高める効果が期待できます。 
 
入退室管理システムは、主に部外者の侵入を防止することを目的に設置されています。ネットワークを使った入退室管理システムでは、認証データがインターネットを経由し、クラウドで共有され入退室記録はWeb上で管理されます。事前に従業員など使用者の情報を登録することで認証を行うことができます。入退室管理システムで用いられる二重認証はいくつかありますが、代表的なものとして顔認証、指紋認証、暗証番号認証、カード認証などがあり、これらを組み合わせることで二重認証を行うことができます。暗証番号認証は、事前に設定した0〜9個の数字を組み合わせた暗証番号を用いて解錠するもので、タッチパネル式のものも含みます。物理的な鍵やカードを持ち歩く必要がないので、紛失の心配がありません。カード認証は、カードリーダーにICカードをかざし、ICチップ内の情報を読みとり解錠するもので、既存の交通系ICカード等に情報を登録することも可能です。暗証番号とカードがひとつの認証装置になっているものは、1台で二重認証が可能であり入退室管理システムに履歴を残すことができます。
 
生体認証は、バイオメトリクス認証とも呼ばれ、指紋や静脈、網膜、顔、声など他人と区別できる個人の身体的特徴を使って解錠するものです。生体認証のひとつである顔認証は、目、鼻、口などの特徴点の位置や顔領域の位置、大きさをもとに照合する方法です。髪型や化粧などが変わっても影響を受けない、メガネやマスクをつけていても判別できる、逆光や暗い場所、照明など光に影響されずに認証精度を保てる高性能の認証装置も増えています。なりすまし、紛失、盗難などのリスクが低く安全性が高いことが特徴です。2種類の生体認証が1台で行える認証装置を導入し、二重認証を行っているケースもあります。二重認証は、2つの異なる要素を持った認証方法を組み合わせることで構築されます。個人が所有するICカードやスマートフォンは基本的に他人と共有しないものであり、暗証番号やパスワードの記憶やメモの必要がなく漏洩リスクも低い一方、盗難や紛失のリスクがあります。生体認証は、単体でもセキュリティレベルが高い認証方法ですが、生体であるがゆえに外的要因(成長による変化や手術、怪我などによる変形)によっては認証しづらいケースがあります。 二重認証には、認証方法のウィークポイントを補完しあうものを選ぶことが必要です。別の要素をもつ認証方法と組み合わせることで、セキュリティレベルが上がるため、二重認証を導入する最大のメリットといえます。
 
二重認証で得た情報は、入退室管理システムにおいて活用ができます。入退室管理システム内に個人の入退室履歴が記録され、誰が・いつ・どの場所にいたか特定することが可能になります。機密文書保管室などの入退室履歴が確認できるので、外部侵入者だけでなく内部従業員による機密文書等情報の持ち出しなど不正行為を防止、抑制することもできます。災害対策などの面からも二重認証がされた施設内では、従業員などの所在確認が容易であり、スムーズな避難誘導指示をすることができます。火災、地震などで自力での避難ができない状況や、怪我などで要救助者がいる場合にも、どの部屋に何人が残っているという情報がすぐ共有できるだけでなく、個人が特定されているため救助の通報時に役立ちます。二重認証を備えた入退室管理システムと勤怠管理システムを連動させることで、従業員の出退勤状況、遅刻、早退、有給の取得状況なども管理することができます。同様に、監視カメラや警備、火災報知器などと連携させることで、防犯対策、防災対策ともに強化できます。さまざまなサービスと二重認証を備えた入退室管理システムを連携させることで早急な対処が短時間でできることになります。二重認証を備えた入退室管理システムにおいて、認証装置をセキュリティの目的にあわせて配置することでエリア、場所、部屋、人、時間などに応じてセキュリティレベルを変え、状況にあわせた操作などができます。二重認証の設定で通過できる経路を限定し、人の動線をコントロールすることや二重認証による設定で、あらかじめ顔認証登録された人以外の入室ができない部屋などに制限をかけることもできます。さらに決まった時間、決まった場所を解錠、施錠するなどのコントロールも可能です。クラウドで情報を共有している場合は、1台のパソコンで遠隔操作ができるため、複数拠点の一元管理が可能です。鍵の解錠、施錠だけに人員を配置、派遣することがなくなり、従業員削減の一助にもなります。
 
個人情報保護法やマイナンバー制度の施行により、各企業、会社が保有する情報は顧客だけではなく従業員などの個人情報についても適正に管理、保存することが必要になりました。大規模なオフィスを持つ企業も小さな規模の会社も情報を守るために、二重認証を備えた入退室管理システムの導入は大変有効といえます。二重認証の組み合わせは入退室管理システム導入施設の規模や特徴、目的などによって、決まります。それぞれの認証方法について要素の違いを把握し、最適な組み合わせを選択をすることが重要です。

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