フキ（ふき）
株式会社フキは、東京都江戸川区に本社をおいています。本社のほか、フキにはグループ会社が5つあり札幌、仙台、名古屋、福岡、岡山に位置しています。フキの会社名は、創業者である後藤昭の配偶者、後藤フキからとられており、彼女とともに多くの困難を乗り越えた感謝の気持ちにちなんでいます。フキは、合鍵を作成する際に不可欠なキーブランクの製造からはじまりました。1963年（昭和38年）10月にフキのキーブランクが発売開始され、株式会社フキは1971年（昭和46年）6月1日に設立されました。
フキの代名詞であるキーブランクとは、合鍵を作る時に使う、完成する前の刻みがない状態の鍵のことをいいます。外側は鍵の形をしていますが、特有の模様や凸凹がない状態です。キーブランクは、メーカーや種類によって形状が違うため、その数は数千を超えます。フキの商品には、持ち手のところにFUKIとローマ字にて刻印がされています。主なキーブランクの種類は、住宅用、車やバイク用、金庫用です。適合するキーブランクを見つけられないと合鍵を作製することはできません。フキは自社のキーブランクを探せるアプリも開発・作成しており「TLH 合カギ検索」のアプリを使うことでキーブランクの検索、原寸確認、キーブランクの発注と作成に必要な工程を簡単に行えます。キーブランク以外にも、鍵に関連する商品を製造しています。そのうちのひとつがキーマシンです。キーマシンとは合鍵を作る時に必要な機械で、キーブランクを削る役割があります。キーマシンに複製したい鍵とキーブランクをセットすると、自動的に溝や凸凹を削り、作製してくれます。作製する種類によっては、独自のキーマシンが必要となる場合もあります。フキは、ティアキー（TIERKEY）というディンプルキータイプの鍵も製造しています。ディンプルキーはピッキングされにくく、第三者が不正に複製しにくいとい特徴があります。フキのティアキーの対ピッキング性能は10分以上とされています。錠前は、フキオリジナルのiNAHOブランドにて発売しています。暗証番号で解錠するデジタルロック、玄関や勝手口の補助鍵として使えるスリムロック面付補助錠、車庫や倉庫などのシャッター錠を、フキが対応しているほかのメーカーと同一キーにすることで鍵の管理がスムーズにできる、ユニバーサルシャッター錠-54があります。ほかにも、カムを必要なサイズに切断することで金庫カムロックと交換ができるユニバーサル金庫カムロックなどの商品があります。
近年、防犯やセキュリティ面への意識が高まっていることから、フキは電子錠にも力を入れています。フキの「inter LOCK」は、新しいドアはもちろんのこと、すでに鍵がついているドアにも取り付けできる電子錠です。解錠には、登録済みのカードや携帯電話を近づける方法、暗証番号を使用する方法があります。暗証番号を使用する場合は、タッチパネルを利用します。入力するテンキーがランダムになる機能や、いたずらや不正破壊を防ぐための侵入防止機能や警告音がついているため、防犯面でも安心です。フキの「inter LOCK」のサイトからダウンロードできる管理ソフトを使用することで、履歴を管理できます。管理ソフトでは、入退室などの使用履歴の閲覧、使用するカードの登録や削除、モードやパスワードの変更などを行えます。入退室の履歴は3,000件保管され、超えた場合は古いものから上書きされていきます。inter LOCKは、室内側の操作も簡単になっています。従来は、ドアを開けるために手でサムターンを回す必要がありましたが、OPENボタンをひと押しするだけで、電動で解錠します。OPENボタンの下には、一般的なサムターンも付属していますが、取り外すことも可能です。万が一、壊されてしまった場合でも、OPENボタンをロックさせる機能がついているため、サムターン回しを防止できます。また、ドアを閉めると自動でロックされる機能もあるので、掛け忘れのリスクが大幅に軽減されます。外出時にOPENボタンを操作できなくするお出かけロック、就寝時にリーダー部をロックできるおやすみロック機能も防犯面で安心できる機能です。「Ei-Lock」はinter LOCKの後継モデルで、専用のスマホアプリを使うことでスマホ連携を行える機能が追加されました。
フキのピックルは、カードキーを使って解錠する電気錠です。INTER LOCKやEi-Lockと違い、解錠方法はカードに限定されますが、万が一、カードをなくした場合は、個別にカードの情報を削除することができるため悪用はされません。ピックルで解錠に使用するカードキーは、内蔵されているICチップで管理されているため、合鍵を作ることは不可能であり、鍵穴がないためピッキングや破壊行為への対策もできます。フキは鍵に携わる会社として、商品の製造以外にも合鍵複製業の開業の支援やアドバイス、人材育成にも力を入れるなど、現在も業界を牽引しています。
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