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ICカード(あいしーかーど)

integrated circuit(集積回路)を意味するICチップが埋め込まれたカードを、ICカードと言います。ICチップには、CPUやメモリといった処理や記録に関わる部品が搭載されており、あらかじめ必要な情報をICチップに登録しておくことで決済や認証に利用できます。ICカードはクレジットカードやキャッシュカードや、交通機関の定期券、社員証など幅広いシーンで活用されています。互いに通信規格が対応している錠とカードであれば、使用頻度の高いICカードを玄関の鍵と併用可能です。
 
ICカードは「接触式」「非接触式」「ハイブリッド式」の3種類に分けられます。接触式のICカードでは、カード表面に露出した金属端子をカードリーダーに接触させ、情報をやりとりするタイプです。クレジットカードや金融機関のキャッシュカードなどに使用されています。一方、複数の薄いカードの間にアンテナを挟み込んだ非接触式のICカードでは、無線通信による電波で情報を送受信します。非接触式はコンビニエンスストアや商業施設などで使える電子マネーのほか、交通系ICカードや扉の鍵などに使用されるタイプです。ハイブリッド式は、金属端子とアンテナの両方を持ったICカードを指し、例としてキャッシュカード機能を併せ持つ交通系ICカードなどがあげられます。非接触式のICカードの場合、無線通信の規格によっても分類できます。通信規格の種類には、タバコ購入用のカードに使用されている TypeAや、運転免許証やマイナンバーカードで使われるTypeB、交通系のカードや電子マネーに用いられるType-Fがあります。
 
扉の鍵として非接触式のICカードが機能する仕組みは、カードに内蔵されたICチップとカードリーダー間の無線通信によるものです。カード内のICチップとカードリーダーが電波を送受信し、認証されると施解除されます。一般的に非接触型のICカードにはコイル状のアンテナが内蔵され、電源の供給には電磁誘導の仕組みが用いられています。ICカードを使用した錠の多くは、レバーハンドルに起動ボタンが備えられています。解錠するには起動ボタンを押し、鍵として登録したICカードをセンサーに近づけます。そうすると、カードリーダーの電気がカード内のコイルを伝ってICチップへと供給されます。カードリーダーとICチップの情報が電波でやりとりされ、情報が正しいと判断されると扉が解錠される仕組みです。
 
普段使っている交通系カードや、買い物に使用するICカードを鍵として登録しておくと、わざわざ自宅の鍵を探す必要がありません。ICカードは薄く場所を取らずに持ち運べるため、荷物が多い場合でも快適に使用できます。かざす動作のみで簡単に施解錠が可能なため、金属鍵のように向きを気にせず使用でき、玄関周りが薄暗くても操作可能です。ICカードを利用する錠では鍵穴が不要なため、鍵の抜き差しによるシリンダー部分や鍵の摩耗を避けられます。紛失時には新しいICカードの登録で、なくしたカードを簡単に無効にできます。通常必要になる鍵やシリンダー交換をせず扉の防犯性能を維持できると言えます。そのほかオフィスの鍵にICカードを使用すると、セキュリティ維持と業務効率化の両立が可能です。ひとつの錠前に対し複数枚のICカードを登録できるため、鍵管理の手間を軽減します。ICカードは入退室や勤怠の管理にも活用できます。社員証を通用口の鍵に併用すると、リアルタイムでの入退室記録の確認や、印刷した記録を照らし合わせて勤怠確認することが可能です。また非接触式のICカードは、カード内の情報を暗号化して通信したり、乱数を使って鍵を変化させたりする防犯対策が施されています。そのため無線通信の認証方法でありながら、電波を傍受して不正にデータを読み取られるリスクが少ないとされます。しかし、ICカードは簡単に他人に貸し借りができる点に注意が必要です。扉の不正操作を防ぐには、ICカードと併せて指紋認証が必要な錠を採用するなど、複数の方法で運用すると効果的です。
 
非接触式のICカードは電波に乗せてカードとカードリーダー間で情報をやりとりし、認証しています。そのため重ねて使用すると、鍵として登録されていないカードの電波まで拾ってしまい、正しく動作しない場合があります。鍵として登録した1枚のみがエラーになる場合、電波干渉のほかにも大きな傷やひび割れの発生といったカード側の問題が考えられます。すべてのICカードがエラーになる場合は、カードリーダーのトラブルの可能性があり、場合によってはカードリーダーの交換が必要になります。しかしカードリーダーは精密に作られているため、無理に原因を特定しようと触ると状態が悪化し故障につながる恐れがあります。玄関がスムーズに解錠できなければ防犯にも悪影響を及ぼすため、動作不良を感じた際は無理せず専門業者に点検を依頼することが大切です。
 
自宅の扉をICカードに対応した錠に変更するには、既存の錠ケースを活用する方法と、テープで室内側のサムターン上に固定する方法があります。既存の錠に互換性があれば、扉に穴開け工事をせずにシリンダーやサムターンの取り替えのみで取り付け可能です。テープで固定する方法は賃貸物件でも手軽に設置でき、引っ越し後の住宅でも再利用できる点がメリットです。ただし賃貸物件では原状回復義務によるトラブルを避けるため、大家さんや管理会社へ許可をもらうようにしてください。

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