インロック(いんろっく)
インロックとは、車内に鍵を置いたまま外に出てしまい車の鍵が閉まってしまう状態のことで、インキーとも呼ばれています。車は鍵がないとドアの開閉ができないため、車内に鍵を置き忘れてしまい、インロックになってしまうトラブルが急増しています。以前はエンジンをかける際に鍵を差し込むタイプの車が多く、鍵を車内に差したまま内鍵をロック状態にし、車の外に出てドアを閉めることでインロックになるトラブルが多発していました。現在はスマートキーを採用している車がほとんどで、スマートキーから出ている電波によって車の位置を特定しています。そのため、仮に車内に鍵を忘れてしまっていても以前よりはインロックの状態になりづらくなったといわれています。しかし、近年もインロックのトラブルが多く発生しているのが現状です。インロックが起きる原因として考えられるのは、スマートキーの電波がなんらかの理由で遮断されてしまうケースです。スマートキーの電波は微弱で、車とスマートキーが0.8~1m以内に存在しない限り反応しません。しかし、カバンと一緒に車のトランクに置き忘れたり、携帯電話の近くにスマートキーを置いたりすると電波が行き届かず遮断されて正常に反応しなくなり、インロックになってしまう可能性があります。
スマートキーの電池残量が少なかったり、電池が切れていたりする場合も車が正確な位置を特定できず、スマートキーが車から離れたと判断しインロックになってしまう場合があるので注意が必要です。スマートキーを採用している車は、鍵を開けたあと一定時間経過すると再度鍵が閉まる仕組みになっていることがあります。このとき、ドアやトランクの開閉を検知するものがカーテシスイッチですが、このカーテシスイッチの誤認によってインロックされてしまうケースがあるので注意が必要です。また、子どもがいる家庭に多いのが、小さい子どもが誤ってスマートキーのボタンを押してしまい、インロックになってしまうケースです。車内にまだスマートキーの操作がわからない小さい子どもがいる場合は、できるだけ手の届かないところに置いてインロックにならないように対策することが大切です。
もしインロックになってしまった場合は、スペアキーで車の鍵をあける方法を試してみてください。この方法が確実に早くインロックを解除することができ、費用もかかりません。出先でインロックになってしまいスペアキーが手元にない、またはすぐに取りに行けない場合はロードサービスか専門の鍵業者に依頼するのがベストです。ロードサービスは、車の事故や故障の他にも、インロックの解除でも駆けつけてくれるサービスです。しかし、さまざまな車のトラブルに対応しているので、場合によっては駆けつけてくれるまでに時間がかかるケースがあります。時間をかけずにインロックを解除したい場合は、鍵業者に依頼することをおすすめします。また、鍵業者は鍵を開けるだけでなく、新しい鍵の作成依頼もできるので、鍵をなくしてしまったときも安心です。一方で、自分でインロックを解除しようと試みるのは、あまりおすすめしません。強引にドアを開ける、または物を使って開けるという行為は、車体自体を傷付けてしまうことがあります。インロックがかかってしまったときは、慌てずにロードサービスや専門の鍵業者に依頼する方法が適切です。また、子どもが誤ってインロックしてしまい車内に取り残されてしまうこともあります。とくに注意が必要なのが、夏場で車内の温度が急上昇し、熱中症になるケースです。インロックの状態になり子どもの体調に異変があった場合は、速やかに119番に連絡してください。緊急性が高いときは、窓ガラスを割って解錠するなどの迅速な対応が必要になるからです。
インロックにならないための対策としては、車の外に出るときは必ずスマートキーを持ち歩くことです。また、スマートキーの電池残量を定期的に確認しておくことも大切です。スマートキーの電池寿命は平均で1~2年といわれているので、1年ごとに定期的に電池交換をすることをおすすめします。また、強い電波を発している設備が近くにある場合も、スマートキーの通信が妨害される可能性があります。インロックを防ぐためには、車を止める場所にも注意が必要です。他にも、ケータイの電波がスマートキーの通信の妨げになっているケースもあるので、なるべく近くには置かないように心がけることが大切です。そして、常にスペアキーを持っていることもインロックの予防策として適切です。子どもや動物を車内に取り残すと、スマートキーの誤作動でインロックになる可能性があるため、必ずスマートキーを持っていることを確認してから車を降りるということを徹底することが大事です。インロックにならないためにも、日頃から常にスマートキーを持ち歩くことを意識し、このような対策をしていく必要があるといえます。