キーボックス(きーぼっくす)
キーボックスとは、鍵を保管するためのケースのことです。キーボックス自体にロックをかけ、解除方法を知っている人だけが開けられ、保管されている鍵を使用できます。なかに入っている鍵を共有することで、合鍵の本数を気にすることもなくなり、紛失や渡し忘れなどのトラブルを防ぐことができます。キーボックスの開け方はダイヤル式とボタン式のものが多く、暗証番号を入力してロックを解除できます。暗証番号を事前に伝えておけば、誰でも簡単に操作し鍵を受け取れます。キーボックスは、鍵で開閉するタイプもあります。このタイプは、鍵を持っている人以外は開けられないので、少人数で利用する場合に適しています。キーボックスを使うメリットは、鍵の受け渡しを簡単に、かつ安全に行うことができることと、導入しやすいことがあげられます。キーボックスには、安いものだと約2~3,000円で購入でできるので、導入コストを抑えられます。ホームセンターや通販サイトなどで多く取り扱っているので、購入しやすいのも特徴です。
キーボックスの取り付けは、工事不要で容易に設置することができます。キーボックスには、主に「南京錠型」「壁掛け型」「置き型」の3つのタイプがあります。南京錠型は、ワイヤーやU字型の金具で固定して設置します。パイプや窓の格子、手すりなどに引っ掛けて取り付けられるので、屋外でも設置しやすいのが特徴です。壁掛け型は、壁面にビスや釘を使って固定するものです。しっかりと固定されるので、キーボックスごと外して持ち出され、盗難される心配が少ないです。ただし、後から外すときに跡が残ってしまうので、賃貸物件に取り付けたい場合は、管理会社や大家さんに許可を取ってからにしましょう。置き型は、置いたり立て掛けたりするだけで設置できるので、持ち運ぶことがある場合に便利です。置く場所を選ばないので、置くスペースがあればどこでも設置できます。
キーボックスは、非対面で鍵の受け渡しができるので、さまざまな場面で利用されています。よく利用されている場面としては、「民泊・レンタルスペース」「不動産会社の管理物件」「訪問介護・デイサービス」などがあげられます。民泊やレンタルスペースでは、予約を受けたときなどに事前にキーボックスの場所と暗証番号を伝えておくことで、利用者と顔を合わせることなく鍵を渡せます。鍵の受け渡しのためだけに、わざわざ出向く必要がありません。不動産会社では、賃貸物件などの内覧のためにキーボックスを設置しておくことで、スタッフを常駐させたり鍵の受け渡しをする必要がなくなります。暗証番号を伝えておけば、他社の担当者が案内するときにも入室できるので便利です。訪問介護やデイサービスでは、自宅のキーボックスに鍵を入れておき、事前にスタッフに暗証番号を伝えておくことで鍵の開け閉めをしてもらえます。家族が留守にしていたり、自分で鍵の開け閉めができない場合でも、サービスを受けることができます。契約解除の際は、合鍵を返却するやりとりもなくなり、キーボックスの暗証番号を変更するだけで済みます。高齢者のひとり暮らしの場合、万が一何かが起こったときの安否確認のために、親族や近所の人などの信頼できる人に暗証番号を伝えておくことで自宅に入り対応してもらえます。このように、多くの人が出入りする場所や店舗などでキーボックスを利用することで、鍵の受け渡しをスムーズに行えたり、合鍵の必要がなくなり鍵の管理が容易になります。
キーボックスのデメリットとして、暗証番号を定期的に変更する必要であることがあげられます。暗証番号を使い回していると、1度利用したことがある人が再度勝手に入ってきたり、ほかの人に暗証番号を伝えて、勝手に鍵を使われてしまったりする可能性があります。そのため、こまめに暗証番号を変更することで、安心して利用できます。しかし、キーボックスの暗証番号を変更するには、設置している場所に直接行かなければなりません。設置した場所が遠方にあると、相当な時間を要します。そのような場合、スマートフォンのアプリなどで暗証番号を管理できるキーボックスを利用すると、設置場所に行く時間が省けて便利です。また、キーボックスの固定が甘く、キーボックスごとそのまま盗まれて鍵を使用されてしまい、トラブルになってしまった事例もあります。玄関のドアノブやインターフォンの横など、人目に触れやすい場所は危険なので避け、しっかり固定するようにしてください。屋外に設置する場合は、雨風にさらされてなかに入っている鍵が濡れてしまったり、キーボックス自体が錆びてしまうことがあります。キーボックスは屋外に設置できるように、錆びにくいステンレス素材でできていたり、防水加工を施したキーボックスがあるので、屋外に適したものを設置してください。「どこに設置するのか」「鍵を何本保管するのか」「誰がどのような目的で使うのか」をよく考え、設置方法やキーボックスの素材、ロックの解除方法などからキーボックスを選ぶことが大切です。