長沢製作所(ながさわせいさくじょ)
長沢製作所は埼玉県に本社工場がある創業100年を越える金物の製造販売会社です。事業内容は、自社ブランド「NAGASAWA」「KEYLEX」「古代」の鍵やレバーハンドルなど建築金物の製造販売や、ハウスメーカー、ドアメーカー、建材メーカー等へのOEM製造販売を行っています。長沢製作所本社工場は埼玉県嵐山町にあり、営業の拠点は東京、大阪で、製品についての問い合わせなどを行っています。また関東を中心とした全国各地にある長沢製作所の代理店では、製品の購入や施工の依頼をすることができます。
長沢製作所は、1916年(大正5年)9月10日埼玉県川越市で創業し、手作りによる箪笥金具の製造を開始しました。1951年(昭和26年)には、現在の株式会社長沢製作所に改称し会社を設立します。1996年になると、長沢製作所本社工場を埼玉県嵐山町に移転し、初期には、引戸用戸締り金具「鬼締め」や、洋家具用取手「コロナ1号」などの家具金物を発売していましたが、徐々にドアハンドルなど建築金物の製造販売へと移り変わりました。1972年には長沢製作所の代名詞とも言われる古代シリーズの元祖「古代1号」を発売します。古代シリーズは当時流行していた唐草模様をモチーフとした装飾玄関錠です。そして翌年、国内初のサムラッチ式装飾錠「プレジデント301」を発売した長沢製作所は、この頃から大手ドアメーカー、ハウスメーカーからの引き合いが多くなり直接取引や海外への輸出事業を開始します。1981年には、国内初の機械式ボタン錠「キーレックス1000」が発売となり、国内・海外での特許を取得しました。また、シンプル調室内錠「リヴィエール」や、レバー操作角度わずか10度のショートストローク錠を採用した「NEXES」で長沢製作所はグッドデザイン賞を受賞しています。感染症の流行した2020年にはそのニーズに沿った室内向け抗ウィルス・抗菌レバーハンドル「 Vi-Clear」 を発売し、併せて長沢オンラインストアも開設しました。その後、長沢製作所の製造販売するキーレス錠「キーレックス」の運用管理を効率化するための「KEYLEX アプリ」や、ぴったりのドアノブを探すことができるサービス「とりかえレバ」もリリースしています。
代表取締役社長である長沢氏の経営する長沢製作所の理念は「継続・創造・誠意・未来」とあり、すべての業務において「常に時代に先駆け、エンドユーザーが安全かつ安心でき、使い易い品格あるオリジナル製品を作り続ける」の精神に則ることを原則し、常に品質向上を目指しています。特徴として、長沢製作所は自社で、企画・生産・販売・アフターメンテナンスを一貫して行っています。長沢製作所は100年以上に渡り顧客のニーズに応えた、暮らしの身近に長く寄り添う製品の製造を継続してきたこと、一連の製造ラインを一貫して自社で行うことはまさにその経営理念の現れでもあります。また長沢製作所は、抗ウィルス・抗菌性能を持つレバーハンドルの開発や、環境保全への取り組み「ふるさと比企で高校生と企業をつなぐ縁結び事業」として地元地域の活性化に参加するなど、未来への想いも大切にしている会社です。さらに、長沢製作所の加盟している日本ロック工業会(JLMA)は、実用性能認定制度の運用に努めており、2014年には製品性能試験センターとして認定承認され、安心で安全な製品の供給に努めています。
長沢製作所製品のひとつの柱となるのは、電気を使わずにキーレスで解錠が可能な鍵キーレックスで、ドアレバーの上部に並んだ番号ボタンを押すことで解錠します。自動施錠機能が付いている製品もあり、安全性や利便性に優れています。長沢製作所の製造する機械式キーレス錠の特徴は、電気の配線工事や電池交換などの手間が要らず、停電や電気系のトラブルの心配が必要ないことです。設置は屋内も屋外も可能で、記憶番号で解錠できるため鍵を持ち歩く必要がなく、ピッキングされることもありません。利用者が変わる際に鍵交換する必要がなく、番号を変えるだけで済むため経済的でもあります。コンパクトでリーズナブルなものや、他社シリンダー装着に対応したものなどさまざまなラインナップがあります。導入例として、鍵の持ち運びが不要なためバスや電車の構内や医療機関などでの業務効率アップに役立っています。ファーストフード店では、アルバイトの入れ替わりの度に番号を変更することで、スペアキーの無断作成防止なっています。また、学校での不審者侵入対策では、長沢製作所のオートロックシステムの鍵としてキーレックスが導入された例もあります。そのほかキーレックスは、大手銀行、空港ボーディングブリッジ、レンタル倉庫、高齢者施設、ニュータウンゴミ集積場などで取り入れられ、ワンドア・ツーロックにしても複数の鍵を持つ必要がなく、短時間の施錠時も鍵が不要で便利ということで住宅でも活用されています。また、防犯性がアピールできるため、賃貸集合住宅の入居促進にもつながり不法侵入の抑止効果も期待されています。キーレックスには、ドアレバータイプやドアノブタイプ、緊急事態の際に本体下のカバーを割り中のレバーを操作することで解錠ができる非常開装置の付いたものがあります。また長沢製作所公式アプリ「KEYLEXアプリ」を使うことで、スマートフォンを使って新しい解錠番号の自動作成ができたり、複数のキーレックス番号の管理がしやすくなったりと使いやすさが向上しています。このような点からも長沢製作所の顧客のニーズに応えるという理念が表れています。
長沢製作所のもうひとつの柱となる製品は、唐草模様をモチーフとした装飾玄関錠「古代シリーズ」で、長沢製作所の顔になっている製品でもあります。古代は、特殊鍍金という古代特有の表面処理を施すことでブロンズなどの色味が美しく、繊細な彫刻と共にアンティークな雰囲気の鍵です。また、アールヌーボー・アールデコがモチーフとなっている古代NEOは、より現代に合わせたアレンジとなり、色味は黒っぽくデザインもシンプルな鍵となっています。どちらの鍵も防犯性の高いディンプルキーが使われており、万が一のときに安心なフェイルセーフ設計、閉じ込め防止機能付が付いた製品もあります。鍵に過度な負荷がかかったときや経年劣化で鍵が故障したときには知らせてくれ、内部が壊れても安全装置が働き施解錠できるので安心です。長沢製作所では複数のレバーハンドルを製造販売しており、犬と猫の尻尾がレバーハンドルになっていてユニークな「わんにゃん」、住宅建材・ドア取手業界初の抗ウィルス・抗菌ドアレバー「Vi-Clear」などの屋内用レバーハンドル、玄関用レバーハンドルなどがあります。