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ワンドアツーロック(わんどあつーろっく)

1つの扉に錠を2つ設置することをワンドアツーロックやダブルロックと呼びます。ワンドアツーロックは、玄関の防犯性能を高める基本的な手段として、近年の新築住宅では一般的になってきています。たとえばLIXILの玄関ドアは、鍵を2か所に設置したツーロックが標準仕様です。大和ハウスグループのコスモスイニシアも、2000年からすべての物件のドアハンドルに、ワンドアツーロックを標準装備しています。ワンドアツーロックは、国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」でも奨められており、防犯には重要な対策です。既存の扉に補助錠を追加してワンドアツーロックにすると、扉ごと交換することなく手軽に防犯性能を高められます。しかしワンドアツーロックを導入しても面倒で片側の鍵しかかけなくなったり、施錠を忘れてしまったりするケースがあります。ワンドアツーロックの活用が不十分であれば、防犯性能は低いままになってしまうため、補助錠を選ぶ際は防犯性と操作性の両方に配慮する必要があります。
 
犯行前の空き巣への抑止力として防犯効果が期待できる点が、ワンドアツーロックのメリットです。扉の外側に取り付ける外付けタイプの補助錠のように、外観からワンドアツーロックである様子がわかれば、そもそも空き巣に狙われにくくなります。またメインの錠が何かしらの不正解錠の手口によって万が一解錠されたとしても、ワンドアツーロックにしておくことで、もう1つの鍵を解錠しなければなりません。都市防犯研究センターによると、7割の空き巣犯は侵入に5分以上かかると、犯行を断念すると言われています。メインの錠に別の補助錠をプラスするワンドアツーロックで解錠に時間をかけさせることで、侵入をあきらめさせる効果が期待できます。鍵の種類をピッキングに強いディンプルキーにしたり、異なる種類の鍵を複数運用したりすることで、ワンドアツーロックの防犯性能はさらに高まります。たとえ同じ種類の鍵を使ったワンドアツーロックでも、解錠にかかる時間は倍に増えるため、ワンドアツーロックの対策をしていない扉に比べると、空き巣への防犯効果が増すと言えます。
 
ワンドアツーロック用の補助錠は、設置場所によって「外付け」「内付け」「面付け」の3つに分類できます。外付けタイプは、扉の外側に設置し外出するごとに外から施錠する補助錠です。外付けのワンドアツーロックは、防犯意識の高さを視覚的にアピールでき、犯行前の空き巣犯に防犯効果を発揮します。ただし製品によっては錠の有無で留守を悟られてしまうデメリットや、外から鍵をかけられると屋内の人が出られなくなるリスクもあるため注意が必要です。内付けタイプは、扉の室内側から施解錠する補助錠です。錠を扉の室内側に設置し施錠するため、屋外から空き巣犯に補助錠の種類を特定される心配がありません。鍵穴が室内側からしか見えないため、屋外からのピッキングにも高い防犯性を発揮します。面付けタイプは、扉表面に貫通させた穴に錠本体を設置する補助錠です。扉の外側には鍵穴、室内側には箱の形状をした錠本体が設置されます。シリンダーとドアハンドル以外が扉内部に埋め込まれた一般的な設置方法と異なり、錠本体が扉の内部に隠れません。つまり、デッドボルトが扉の側面から出る扉と異なり、デッドボルトがドア枠に隠れて屋外から見えない構造になっています。こうした構造から面付けタイプの補助錠を採用したワンドアツーロックは、ドアの隙間から工具でデッドボルトを攻撃する「こじ開け」という不正開錠に高い防犯効果を発揮します。
 
後付けが可能なワンドアツーロックの補助錠は、暗証番号や生体認証、リモコンやカードなど多種多様な形式の製品から選べます。扉の種類によっては希望する製品が扉に対応していない場合があります。ワンドアツーロック用の補助錠を取り付ける際は、設置する扉が内開き、外開き、引き戸のうち、どの種類にあたるのかをあらかじめ把握しておく必要があります。持ち家か賃貸かによって、ワンドアツーロックの補助錠の取り付け方法は異なります。持ち家で補助錠を追加する場合は、穴開けが必要な面付けタイプを設置できます。ただし、正確な位置への穴開け作業や、扉やドア周辺の緻密な計測が必要です。穴開け位置を失敗すると、補助錠が上手く設置できず、ワンドアツーロックの防犯効果が大きく損なわれてしまう場合があります。持ち家でワンドアツーロックにする際は、無理をせずに専門業者に取り付けを依頼するのが安心です。賃貸のワンドアツーロックの取り付け方法には、補助錠を金具や両面テープでドア周りに固定する方法があります。特別な工具が不要な製品が多いため、基本的にDIYで取り付けが可能ですが、金具で固定する補助錠は金具がぐらつかないための微調整が必要です。両面テープを使ってワンドアツーロックの扉にする場合には、経年劣化による位置ずれや落下リスクに注意する必要があります。賃貸は原状回復義務があるため、簡単に取り付けられる補助錠でワンドアツーロックにする場合でも、テープのはがし跡や傷といったトラブルに備えて、あらかじめ管理会社や大家さんに設置の可否を相談するようにしてください。

ワンドアツーロック(わんどあつーろっく)
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