暗証番号キー(あんしょうばんごうきー)
電気錠または電子錠のひとつである暗証番号キーは物理的な鍵を使用しないキーレス錠です。電気錠は電気の配線工事を行うことにより作動し、電子錠は乾電池を電力として作動します。暗証番号キーは戸建て住宅やマンションなどの集合住宅の玄関、オフィスの入り口などさまざまな場所で利用されています。
通常の物理的な鍵は鍵穴に鍵をさし解錠や施錠を行います。そのため鍵を開けるたびにバッグやポケットのなかから鍵を取り出さなければならず手間がかかります。外出するたびに鍵を持ち歩く必要があり、鍵を紛失すると自宅に入れなくなったり、悪意のある第三者に鍵を拾われ悪用されるリスクがあります。外出時に鍵を閉め忘れると、空き巣に侵入される危険性があります。物理的な鍵は、オフィスなど複数の人が出入りする場合は人数分の合鍵を用意しなければならず、その分コストがかかります。
暗証番号キーは、あらかじめ定められた暗証番号をドア付近に設置されたテンキーに入力することによりドアを解錠します。テンキーには0〜9までの数字が並んでおり、4ケタから8ケタの数字を暗証番号に設定し入力することで解錠を行います。テンキーに正しく暗証番号を入力しなければ解錠することができません。テンキーに一定の回数以上間違えて暗証番号を入力すると防犯のためドアが開かなくなる不正開錠防止機能や、暗証番号キーの設置されているドアをこじ開けようとすると警報アラーム機能が登載されている製品もあります。暗証番号キーのようなキーレス錠であればドアの鍵を開けるたびに鍵を取り出す必要がなく、テンキーのボタンやタッチパネルの数字を押すなど片手のみで操作できます。そのため大きな荷物を抱えていたり、子どもと手をつないでいる際も、荷物を下に置いたり手を放すことなく簡単にドアを開けられるという利便性のよさがあります。
一般的な暗証番号キーはドアを閉じると自動的に施錠するオートロックタイプであるため、鍵を閉め忘れるなどして空き巣に狙われる心配がありません。鍵を持ち歩く必要がないため失くすリスクもなく安心です。出入り口を使用する人数が増えても暗証番号を共有すればよいため、合鍵を作る必要がなくコストパフォーマンスに優れています。万が一、他人に暗証番号を知られてしまっても、テンキーに入力する暗証番号は何度でも変更できるため、防犯性に優れているのも暗証番号キーの優れた特徴です。
古いタイプの暗証番号キーはボタンタイプであったため、テンキーに同じ暗証番号を何度も入力することで押されボタンの数字が薄れ、暗証番号が予測され不正開錠される恐れがありました。 しかし近年はその危険性を回避するため、数字の並びがランダムに変わるタッチパネルタイプのテンキーが増えています。
暗証番号キーのようなキーレス錠は鍵を使わないため、錠前に鍵穴が必要ありません。空き巣が使う不正開錠の手口のひとつに、鍵穴に特殊な器具を差し込んで開錠するピッキングという方法があります。鍵穴のないキーレス錠はこの手口を使えないため、暗証番号キーを設置することでピッキングに対する防犯性を高めることができます。
暗証番号キーは後付けすることが可能で、電気錠と電子錠どちらを選ぶかで設置方法が異なります。デメリットとしては、暗証番号が鍵の代わりになるため暗証番号を忘れてしまうと解錠できなくなります。また、暗証番号のメモなどを他人の目に触れるところに置いておくと、番号が漏れて不正に侵入される危険性もあるため、暗証番号管理には注意が必要です。