入退室管理システムによる勤怠管理で利便性とセキュリティ強化

労働者を守り、より良い環境で働くことを目的として、労働基準法が定められています。会社を運営しているのであれば、労働基準法にもとづいて従業員にとって働きやすい労働環境を作り、従業員の正確な出勤状況を把握しなければなりません。そのために役立つのが、入退室管理システムによる勤怠管理の導入です。この記事では、勤怠管理に利用できる入退室管理システムの役割や、正確な勤怠管理に効果的な顔認証の特徴と顔認証リーダーFE-500をご紹介します。

◎入退室管理システムを採用するメリット

どの人物が、どの時間帯に、どこの区画もしくは部屋に出入りしたかを正確に把握して記録する仕組みが、入退室管理システムです。建物に入退室管理システムを採用するメリットには、勤怠管理での利用だけでなくセキュリティ向上をあげられます。たとえば、公共施設や病院などの医療機関には、職員や利用者以外にも、宅配業者や清掃員、消防設備の点検業者といった、さまざまな人が出入りします。セキュリティが整っていないと、業者を装って設備の破壊や盗難を目的とする、悪意のある第三者が建物内に侵入する可能性があります。そこで、勤怠管理に利用できる入退室管理システムを導入すれば、侵入者を防いで従業員の安全を確保し、盗難の被害なども避けられます。また企業のオフィスやビルなどには、従業員の個人情報や業務に関連した機密情報を記した書類などが多くあります。万が一、個人情報が外部に漏洩した場合には、個人情報保護法違反に該当して罰金刑に課される可能性があります。勤怠管理に役立つ入退室管理システムを採用すれば、個人情報や機密情報の外部への流出を防ぎ、企業の信頼性も向上します。さらに建物内においても、内部からの不正な情報の持ち出しに注意しなければなりません。医療機関の薬品倉庫や企業のサーバー室などに入退室管理システムを採用すれば、特定の区画への入退室の権限を制限し、内部からの情報流出を未然に防止できます。もし何らかのトラブルが発覚した場合には、入退室管理システムの記録を確認することで迅速な対応が可能です。入退室管理システムが普及する前は、警備会社と契約して玄関前やロビーに警備員を配置している企業が多くありました。そのようなセキュリティ対策は、不正侵入に効果を発揮する反面、年間契約料など多額のコストがかかるというデメリットがあります。人間による監視は、どうしても見落としがあるというリスクも懸念点となります。勤怠管理に利用できる入退室管理システムを導入すれば、入退室管理システムによって人の動きを把握できるため、見落としの心配がありません。警備員配置にかかる費用を削減できることも、入退室管理システム導入のメリットとなります。建物の警備システムと入退室管理システムを連動させれば、侵入者を発見した場合にアラーム音や光を発して当事者に警告することも可能です。

◎入退室管理システムと連携した勤怠管理

勤怠管理は、職員や従業員の就業状況を正確に把握して、記録や管理をするために行っており、労働基準法により国で定められている、企業や公共施設が担う義務となります。顔認証などによる入退室管理システムが普及する前は、公共施設や企業での勤怠管理において、多くの問題点がありました。多くの場所で主流となっていた勤怠管理は、タイムカードの打刻によって行う方法です。出勤時間や退勤時間、欠勤の状況や休日取得の有無といった入退室のデータを記録し管理します。タイムカードによる勤怠管理は、出入り口に設置したタイムレコーダーという機器にカードを差し込んで行います。勤怠管理に利用するタイムカードは、毎月ひとりにつき1枚必要です。そのため毎月、従業員の人数分のタイムカードが必要となり、コストが発生します。勤怠管理にタイムカードを使用する場合、打刻ミスや打ち忘れなども起こり得ます。タイムカードの修正は自分ではできないため、担当の課へ申告し訂正してもらう必要が生じます。またタイムカードによって勤怠管理をしている場合、パソコンの表計算ソフトを使って給与計算を行います。1人ひとりのタイムカードの記録をまとめるには手間や時間がかかり、従業員の数が多いほど負担が増加します。表計算は、パソコンに数字を打ち込んで入力するため、入力する過程でミスが発生してしまうという問題点もあります。勤怠管理に利用するタイムカードは、労働基準法において5年間保管することが義務付けられています。そのため、毎月増えつづけるタイムカードを保管する場所も、用意しなければなりません。入退室管理システムによる勤怠管理は、このような多くの問題点を解決するために役立ちます。まず人数分のタイムカードが必要ないため、コスト削減につながります。また、従業員の労働時間を計算する手間がなくなり、勤怠管理に関わる業務の効率アップに貢献します。打刻ミスや給与計算時の入力ミスなどのリスクも回避できるでしょう。さらに、入退室管理システムのなかでも認証精度の高い顔認証を勤怠管理に活用するなら、利便性の向上はもちろん、セキュリティ性向上などのさまざまなメリットをもたらします。

◎勤怠管理に利用できる顔認証システム

勤怠管理も可能な入退室管理システムにおいて、人間の身体の特徴を活用して本人確認を行う方法を生体認証といいます。一般的に広く普及している生体認証には、指の指紋を機械が読み取り認証を行う指紋認証があります。また、瞳の虹彩と呼ばれるドーナツ状の部分を本人確認に活用する虹彩認証などもあります。入退室管理システムにおいて、ディープラーニングが可能な高度なAIを活用し、本人確認を行うのが顔認証です。勤怠管理に活用できる入退室管理システムの顔認証では、顔を撮影した画像から個人の顔の特徴を識別します。目や口、眉毛や鼻などの大きさや形、顔の大小や輪郭を解析して顔の検出をします。そのデータを用いて、入退室管理システムで顔のテンプレートを作成し、顔の特徴点の検出を行い、それらの特徴点をより精密な特徴量へ変換します。さらに、入退室管理システムにおいて特徴量の座標を数値化し、最終的に顔のデータに変換して認証を行います。入退室管理システムの顔認証の認証方式には、2D方式と3D方式があります。2D方式は、顔全体を平面的に捉えて認証を行います。2D認証に対応した顔認証リーダーは複数の種類があり、選択肢が多いことがメリットです。しかし、入退室管理システムの顔認証が2D方式の場合、周囲の明るさが認証精度に影響を与える場合があります。メイクや髪型が変化すると正しく認証できないケースもあります。入退室管理システムの顔認証の3D方式は、赤外線センサーを活用して顔を立体的に捉えて認証を行います。認証精度が高く、髪型やメイクなどが変化しても本人確認に影響を及ぼしません。入退室管理システムにおける認証精度は、太陽光や室内の照明の明るさによって変わらないため、環境や時間帯を気にせず使用できます。入退室管理システムにおいて、顔認証はカメラに顔を向けるだけで正確に本人確認が可能です。顔認証の場合、認証リーダーに直接触れなくても正確な認証ができます。両手に荷物を持っているときなど、手が離せない状態でもスムーズな本人確認が可能です。入退室管理システムの顔認証リーダーには、カメラの前を通りすぎるのみで認証が可能な、ウォークスルー認証機能を搭載しているリーダーなどもあります。

◎正確な勤怠管理に貢献する顔認証リーダーFE-500

勤怠管理に役立つ入退室管理システムにおいて、50K-Face 1:Nモードで世界最速級の1秒以下という速さで認証できるのが、顔認証リーダーFE-500です。顔認証の3D方式を採用しているFE-500は、赤外線により人間の顔を立体的に捉えてより正確な認証を行います。本体の大きさは192mm×92mm×30mm、メモリーは4GBのRAM、8Gフラッシュです。顔認証リーダーFE-500には、5インチの液晶画面が搭載されています。IPSタッチパネルスクリーンがあり、管理者や利用者の認証に必要なデータの登録が手軽にできます。顔認証リーダーFE-500は、入退室管理システムにおいて最大3メートル離れた場所からの認証が可能で、1度に5人まで同時に認証することもできます。勤怠管理に利用できる入退室管理システムにおいて、顔認証リーダーFE-500にはさまざまな機能が付いています。まず、フェイス+マスク検出機能が利用できます。この機能を使えば、入退室管理システムにおいてマスクやメガネを着用したままで本人確認が可能です。顔認証リーダーFE-500は、入退室管理システムでライブ検出機能が使用できます。スマートフォンなどの静止画や動画、精巧に作成された3Dマスクを利用した不正認証を防ぐのが、ライブ検出機能です。顔認証リーダーFE-500は、入退室管理システムにおいてシングルモードとマルチモードが利用できます。顔認証リーダーFE-500のカメラで撮影した際に、最も大きい顔のみを認証するのがシングルモードで、最大5名まで認証可能なのがマルチモードです。FE-500は、オンプレミス型の顔認証リーダーとなっています。オンプレミス型は、入退室管理システムでの認証時に取得したデータを、リーダー本体に保存し記録します。オンプレミス型は、入退室管理システムを使用する際にインターネット通信ができなくても利用できます。そのため、それぞれの施設の環境に合わせた入退室管理システムの運用が可能です。入退室管理システムの顔認証で得たデータをパソコンに保存して管理したい場合は、USBメモリーなどを使いデータを引き出すことができます。顔認証リーダーFE-500は、入退室管理システムにおいて顔のデータは5万件、イベントログは100万件まで登録可能です。FE-500は、入退室管理システムにおいて顔認証の他にも、カードをかざして本人確認を行うカード認証、あらかじめ決めた数字を入力して認証を行う暗証番号認証も利用できます。ほかにも、スマートフォントを活用したQRコード認証など、複数の認証方法があります。入退室管理システムを勤怠管理に利用する際、顔認証とカード認証、顔認証と暗証番号認証を組み合わせて本人確認することも可能です。入退室管理システムでカード認証に使用できるカードは、5万枚まで登録できます。使用可能なカードには、MIFAREカードEM、HID、FeliCaがあります。顔認証リーダーFE-500は、入退室管理システムにおいて温度-10℃ 〜 50℃、湿度が10%〜 90%の環境下で利用できます。

◎スマートな本人確認が可能な顔認証リーダーFE-500の導入事例

製造業を行うある工場の施設内には、製品に関わる機密情報や従業員の個人情報、企業の財産などが存在します。そのため、勤怠管理とセキュリティ性向上のために、入退室管理システムの顔認証リーダーFE-500を導入しました。FE-500は、顔認証の3D認証を採用しているため、施設内の明るさに関係なく正確な本人確認ができます。マスクをしたままでも顔認証が可能で、顔認証リーダーFE-500に顔を向けるだけでどこにも触れずに認証できます。台車を押していたり荷物を両手に持った状態でもスムーズに通行でき、利便性向上につながりました。24時間営業の民泊施設において、入退室管理システム導入前は、深夜や早朝にも受付を行うためスタッフが常駐しなければなりませんでした。人材確保が難しいうえ、セキュリティ面の不安や人件費の負担が大きな課題となり、問題解決のために勤怠管理にも使える入退室管理システムの顔認証リーダーFE-500を設置しました。なりすましが非常に困難な顔認証リーダーFE-500の導入は、施設全体のセキュリティ向上に貢献し、人件費などの経費削減にもつながりました。

◎まとめ

入退室管理システムを導入するなら、正確な勤怠管理ができるだけではなく、建物全体のセキュリティ向上に貢献します。カギ舎では、勤怠管理に役立つ入退室管理システム導入に関するご相談やご依頼を承っています。24時間365日営業しているカギ舎であれば、お客さまのご要望に合わせた柔軟な対応が可能です。「新しいオフィスの勤怠管理に入退室管理システムを取り入れたい」「顔認証による勤怠管理システムについて詳しく知りたい」などのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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