落雷で故障したインターホンに起こる症状
建物のインターホンが故障するのは、雨や経年劣化などさまざまな原因が考えられますが、実は落雷の影響によってインターホンが故障することがあるのをご存知でしょうか。近年はゲリラ豪雨などにより全国的に落雷が起こる機会が増えているため、インターホンが故障するリスクも高まっています。この記事では、インターホンが作動するシステムや落雷によりインターホンが不具合を起こす理由、また故障した際によく見られる症状などについて詳しくご紹介します。
◎インターホンが作動する仕組み
インターホンには、通話機能のみのインターホンやテレビモニター付きのインターホン、火災報知器と連動しているセキュリティ機能付きインターホンなどさまざまな種類があります。インターホンは、テレビやエアコンなどの家電製品と同様に電源から電気を送ることにより作動します。インターホンの給電方式には大きく分けて電源直結式、電源コード式、乾電池式の3種類があります。電源直結式のインターホンは本体裏側に直接配線するタイプで、壁の内部の電線から電源を供給しています。電源直結式のインターホンの取り外しや取り付けなどの配線工事は電気工事士の資格を持っていないと作業を行うことができません。そのため、現在使用しているインターホンが電源直結式の場合故障した際に修理する際はもちろん、新たに電源直結式のインターホンを取り付ける場合も有資格者が工事を施工する必要があります。インターホンの電源コード式は電源コードをコンセントにつないで電源を供給するタイプです。電源コード式は電源の配線工事を行うことなく取り外しや取り付けが行えます。インターホンの親機からコードをコンセントにつないで使用していれば電源コード式タイプだと考えて良いでしょう。乾電池式のインターホンは親機や子機の電池ボックスがついていることが多く、定期的に電池交換する必要があります。感電事故や故障を防ぐためにインターホンの電池交換をする際は1度全ての乾電池を取り外してから行うようにしましょう。インターホンの子機や親機は壁に取り付けられた機器や受話器に乾電池が入っている場合があるため、それぞれ蓋をあけ乾電池を交換します。インターホンはこのような仕組みとなっていますが、さまざまな原因によって故障などトラブルに見舞われることがあります。なかには落雷によりインターホンが故障するケースがあるため注意しなければなりません。
◎落雷でインターホンが故障する原因
落雷が発生した際に周囲に悪い影響を与える過電圧や過電流のことを雷サージと言います。雷サージには直撃雷、誘導雷、逆流雷などがあります。直撃雷とは建物や電柱に直接落雷することを指し、誘導雷とは近くで落雷が起こった影響により電線や電話線、アンテナ線や地面に埋設されている配管などを伝わり家のなかに電流が流れる現象のことを言います。逆流雷は落雷した際にほかの建物の避雷針から地面に流れた電流がアース線を伝わって家のなかに逆流する状態です。落雷によりインターホンが故障した場合、ほとんどは誘導雷の原因によるものとされています。また、インターホンが故障するとき室内側の親機と玄関側の子機の両方が1度に故障することがあるため注意しなければなりません。誘導雷は、インターホンだけではなくテレビや冷蔵庫といった家電製品、パソコンやルーター、プリンターなどの周辺機器にも影響を与え故障する可能性があります。そのため落雷でインターホンが故障したらテレビやエアコンなど、ほかの電化製品の故障も疑うようにした方が良いでしょう。では落雷によりインターホンが故障した際、一体どんな不具合が表れるのでしょうか。
◎落雷でインターホンが故障すると起こる症状
落雷によりインターホンの配線に接触不良が起こったり配線自体が切れてしまうと音が聞こえなくなり通話ができなくなります。このような場合は、室内側に設置されている親機と玄関側にある子機それぞれの配線の状態を確認しますが、配線の故障をチェックするために、1度壁からインターホンを取り外さなければならないケースもあります。特に、電源直結式のインターホンの場合は自分で外すと感電する恐れがあるため、必ず鍵の業者などプロに見てもらうようにしましょう。インターホンの音声にノイズが入ったり「キーン」といういわゆるハウリング音がある場合は、落雷により配線の故障や地中の電気線と接触している可能性があります。落雷のあった後に訪問者がインターホンのボタンを押しても室内側で呼び出し音が鳴らない場合はインターホン本体の故障か配線の不具合が考えられます。一戸建ての場合は地中に埋められている配線の故障が発生していることが多く、マンションなどの賃貸物件は落雷による本体の故障の可能性が高いと言われています。どちらにしてもインターホンの故障の具体的な原因の特定は鍵の専門業者などでないと難しいため、早めに修理を依頼するようにしましょう。テレビモニター付きのインターホンの場合、落雷の影響によりモニターが映らないという不具合が起こることがあります。この場合は、モニター自体が落雷により故障したか、インターホンの親機と子機を接続しているケーブルに問題が起こっている可能性があります。インターホンの電源は入っているのにモニターが映らない場合はケーブルなどの接続部分の故障を疑い業者に修理を依頼するようにしましょう。オートロックと連動しているインターホンの場合、玄関の解錠ボタンを押しても鍵が開かない場合は落雷によりオートロックが故障していることが考えられます。落雷によりインターホンが故障した場合にはそのまま不具合を放置せず早めに修理を行うことが大切です。故障しているインターホンを放っておくとさらに故障の症状が悪化して全く電源が入らなくなるなどインターホン自体が起動しなくなる可能性もあるため、手遅れになってしまう前に対処するようにしてください。なおインターホンの故障の原因としては落雷のほかにも経年劣化が考えられます。インターホンもほかの家電製品と同様に寿命があり、一般住宅向けのインターホンは約10年、マンションなどの賃貸物件で使用されているオートロック連動型などのインターホンは約15年で新しいインターホンへの交換が必要であるとされています。これ以上の年数が経過すると、インターホンがたびたび故障したり不具合が発生したりすることがあるため気を付けましょう。インターホンが落雷や経年劣化により故障して使用できなくなった場合、いくつか注意しなければならない点があります。

◎落雷でインターホンが故障した際の対応
落雷の被害によりインターホンが故障した場合には、周囲や宅配便業者などに知らせるために「故障中」などと書いた張り紙を玄関ドアなどに貼っておきましょう。親しい近所の人には、あらかじめインターホンが故障していることを伝えておくことも良いでしょう。ただしインターホンが故障していることを知り空き巣に狙われたり宅配便や来訪者のフリをして不審者が侵入しようとする場合もあるため、故障している間在宅中は施錠した上でチェーンをかけるなどして、来客があった際は玄関のドアを開ける前にドアスコープで相手をしっかり確認するようにしましょう。外出する際にもしっかり玄関の鍵を施錠することが大切です。マンションなどの賃貸物件は落雷によりインターホンが故障しても自分の判断で勝手に修理を依頼することはできません。特に電気錠やオートロックと連動しているインターホン、火災報知器やガス警報器と連動しているセキュリティ機能付きのインターホンは電気工事士の資格を持つ専門の業者でなければ故障に対応することができません。賃貸物件の場合は管理者側が故障の修理費用を負担してくれることが多いため、まずは大家さんや管理会社へ連絡して落雷でインターホンが故障した旨を説明するようにしましょう。
落雷によりインターホンが故障した場合、故障の修理を依頼する業者選びも非常に重要です。故障したインターホンの修理や交換を業者に依頼するとき、費用の安さに目がいきがちですがサービス内容を十分に理解することも大切です。価格の安さだけに着目してインターホンの故障の修理業者を選んでしまうと、作業がいい加減であったり施工後にトラブルが起こったりする可能性もあります。業者側から作業代金のほかにも出張費や追加料金がかかるなど、詳しく説明してくれるかどうか、インターホンの施工実績が多く知識や経験が豊富であるかどうか、保証期間がありアフターサービスが充実しているかどうかなどしっかりチェックするようにしましょう。特に電源直結式のインターホンの故障を修理する際は、電気や配線について専門的な知識と技術のある電気工事士の資格が必須となるため資格を持っている作業者が所属している専門業者に依頼するようにしましょう。複数の業者にインターホンの故障の修理にかかる費用の見積りをすれば、実際の料金や対応を比較することができるため業者を決める手助けとなります。次に、落雷によりインターホンが故障し、修理や交換が必要になった事例をいくつかご紹介します。

◎落雷によるインターホンの故障事例
2階建てのとある住宅では、ある時外が一瞬白く光った後大きな火花が飛び散ったのを目撃するほど至近距離で落雷が起こりました。落雷があった際にはブレーカーが落ちデスクトップパソコンをはじめ全ての電子機器の電源が落ちました。電源ケーブルなどに異常がないか部屋ごとに確認しつつそれぞれの部屋のブレーカーを戻していった結果、パソコンは無事でしたが玄関のインターホンや無線LANルーター2台が故障していることが分かり業者に修理を依頼しました。
九州地方のある住宅ではゲリラ豪雨のような雨が続き落雷でも被害を受けました。テレビのほかにも玄関のインターホンが故障し設置してからだいぶ時間が経過して経年劣化もあったため、業者に修理を依頼して新しいインターホンに交換しました。これまで使用していたインターホンはテレビモニター付きインターホンの比較的古いタイプのものでしたが、今回交換したインターホンは広角レンズになっているため玄関の周囲の広い範囲を映し出すことができ防犯対策にも役立ちます。今まで使用していたインターホンの子機の大きさ自体はそれほど以前と変わりませんが、テレビモニターのサイズが大きくなったため前より見やすくなり来訪者の確認もしやすくなりました。落雷で故障したことをきっかけに、さらに性能のよいインターホンに交換するのもひとつの方法です。
とある二世帯住宅では玄関にテレビモニター付きのインターホンを設置していました。何日か雷が鳴る日々が続いた後近くで大きな音が鳴り落雷が起こり周辺の家が停電するという出来事がありました。幸いその家では停電はありませんでしたが、インターホンでの通話ができなくなりテレビモニターの画面も暗いままつきませんでした。その後、在宅していたにもかかわらず宅配便の不在票がポストに入っていておかしいなと感じていましたが、インターホンが故障していることに気がついたのは落雷による停電があった翌日でした。数年前にも近所で落雷があり停電はしなかったものの、インターホンの電源をオンにしても作動しないことや子機も反応しないことが発覚しました。インターホン取扱説明書の機種を確認して専門業者に修理を依頼しました。業者はインターホンのカバーを外して基盤を確認しどこが故障しているか特定し故障の修理自体はそんなに長くかからず終わりました。

◎まとめ
落雷によりインターホンが故障した際、電源直結式は電気工事士の資格者でないと配線工事や設置が行えません。またオートロックや電気錠、火災報知器など他のシステムと連動しているインターホンの場合も個人では故障を修理することはできません。カギ舎は、電気工事士の資格を持ったスタッフが在籍しており、インターホンに関して専門的な知識や豊富な経験を持っています。カギ舎では落雷により故障したインターホンの修理や交換はもちろん、鍵に関するあらゆる依頼やご相談を年中無休で24時間対応しておりますので、お困りの方はぜひご連絡ください。