ドアクローザーの油漏れの原因と交換
自宅の玄関やオフィスにある室内ドアの開き戸には、扉の動きをコントロールするためにドアクローザーが付いていることが多いです。寿命が近づいたり本体に不具合が起こると、ドアクローザーから油漏れが起こることがあるため注意が必要です。この記事では、ドアクローザーの仕組みやドアクローザーの油漏れのサインやその原因、油漏れした際の対応について具体的にご紹介します。
◎ドアクローザーの仕組みと機能
ドアクローザーとは開き戸の扉の上部に付いている金属製の箱型の装置を言います。主に、玄関など風の影響を受けやすい場所に取りつけられていることが多いのですが、最近では、室内扉に設置されているケースもあります。 ドアクローザーは、本体とそこから伸びているアーム、本体を扉の上枠に固定するブラケットと調整ネジ棒で構成されています。ドアクローザーの本体内部には、スプリングと油が入っており、油圧によりスプリングを操作することで扉の閉まる速度を調整できます。ドアクローザーが設置されていることで、大きな音を立てずゆっくりと扉を閉めることができます。その際、扉が閉まる際の衝撃を和らげてドア本体やドア枠の破損を防ぎ、強風の影響で扉が開ききってしまわないように抑えることができます。ドアクローザーの側面にある速度調整弁は、回すことで扉の閉まる速度を変えることができる装置です。ドアクローザーには、スタンダード型やパラレル型、コンシールドタイプなどの種類があります。スタンダード型は、ドアを引く側に取り付けるタイプのドアクローザーで、扉を閉めるとアームの向きがドアに対し垂直になります。扉を押す側に設置するのが、パラレル型のドアクローザーです。一般的な玄関扉に使われているのがこのタイプであり、扉を閉めるとアームの向きはドアと平行になります。コンシールドタイプのドアクローザーは、扉の上框内に本体を埋め込み設置します。扉を閉めるとドアクローザー本体やアームが隠れるため、ドア周りがすっきりして見えます。製品によっては扉を開いたままの状態で保つことができるストップ機能や、強い風が吹き急に扉が開かないように、ある角度まで開くと油圧により制御されるバックチェック機能がついているドアクローザーもあります。ドアクローザーは、油漏れが起きると日常生活に支障を与えることがあるため注意しましょう。

◎ドアクローザーの油漏れのサイン
外出する際に自宅の玄関ドアを開いた際、扉の上方から液体が流れているのを見つけた経験があるという方もいるかもしれません。実は、これがドアクローザーからの油漏れの症状です。はじめはわかりづらいかもしれませんが、時間が経つにつれてドアクローザーから扉に流れた油が黒い筋となるため、はっきり油漏れしているとわかるようになります。油漏れが起こると、油圧により扉の開閉がコントロールできなくなります。ドアクローザーを製造・販売している多くのメーカーでは、油漏れがドアクローザーの寿命や交換時期の判断基準となるとしています。ドアクローザーの油漏れがはじまると、開閉時に「ギイギイ」と不快な音がしたり、これまではスムーズに静かに閉まっていた扉が閉まる際に「バタンッ」と大きな音を立てることがあります。アパートやマンションなどの集合住宅では、早朝や深夜など玄関の閉まる音で隣人とトラブルになる可能性があるため、早めに対処する必要があるでしょう。扉の閉まる速度が速い場合は、ドアクローザーの油漏れによる油切れ、または速度調整弁の不具合が考えられます。 扉が速く閉まると扉自体の破損につながり、ドアクローザーだけではなく扉の交換まで必要となる可能性があります。また小さな子どもがいる家庭では、腕や指を挟み骨折などのケガをする危険があるため注意が必要です。ドアクローザーが油漏れにより正常に機能しないと、突然強い風が吹いてドアが勢いよく開いた際に、ドアにぶつかりケガをする恐れがあるため、早めにドアクローザーを交換しましょう。ドアの閉まる速度が遅くなった場合は、ドアクローザー内部の油の劣化により流れが悪くなっていることが考えられます。
◎ドアクローザーの油漏れの原因
ドアクローザーの油漏れの原因としてまず考えられるのが、ドアクローザーの寿命です。経年劣化によりドアクローザーの部品が摩耗すると、内部の油圧機構の劣化が進み、油漏れを起こることがあります。ドアクローザーの一般的な寿命は、約15年前後とされていますが、開閉する回数の多い扉に付いているドアクローザーの寿命はそれよりも早くなることが多く、10年ほど経過すると油漏れなどの不具合が増えてきます。ドアクローザー本体の劣化とともにアームなどの金具も不具合を起こし、扉が開きにくくなってきます。ドアクローザーを枠に固定しているブラケットのネジが磨耗して緩むとはずれてしまうことも考えられるため、使用年数にかかわらず交換を検討することが大切です。扉を繰り返し必要以上に強く閉めるなどしていると、ドアクローザーに負担がかかり油漏れなどの問題が発生することがあります。速度調整弁のネジを必要以上に回してしまうと、ネジが緩みドアクローザー内部の油が漏れてしまうことがあります。1度油漏れが起こると修理ができないため、ドアクローザー本体を交換しなければなりません。速度調整弁により扉の開閉速度をコントロールしたい場合は、十分に注意して行い、自分でうまく行えない場合や自信がないときは、業者に依頼しましょう。1度油漏れしたドアクローザーは、修理ではなく交換が必須となります。

◎油漏れしたドアクローザーは交換が必要
ドアクローザーは、扉の開閉速度をコントロールする機器ですが、クローザーの油漏れを放置しておくと「扉を開けたら閉められなくなってしまった 」「全開の状態から突然扉が閉まって指を挟み骨折した」などといったトラブルが想定されるため、できるだけ早めに交換しましょう。ドアクローザーが油漏れをした場合、「ドアクローザー本体に油を補充すれば、元通りに使えるようになるのではないか」と考える方もいらっしゃると思います。実際に、ドアクローザーのメーカーには「ドアクローザー本体の油を補充したいので方法を教えてほしい」という問い合わせが多いそうです。しかし、ドアクローザーの油そのものは販売されていないため、1度油漏れしてしまうと販売メーカーや業者などでも油を補充することはできません。仮に油を補充できたとしても、ドアクローザー自体が劣化していたり内部に不具合がある場合は、再び油漏れする可能性が高くなります。そのためドアクローザーが油漏れした場合は、修理ではなく新しいドアクローザーへ交換する必要があります。ドアクローザーは、ネットショップなどでも販売されており、自分で新しいドアクローザーを購入して交換することが可能です。しかし、経年劣化によりドアクローザー本体やブラケットを固定しているネジがさびて硬くなっていると、ドライバーで回せず取り外しそのものが難しいことがあります。古いドアクローザーのなかには、メーカーですでに生産が終了しており、同じ型が手に入らないケースもあります。自分で自宅の扉に合う製品を探す際に、間違って合わないタイプのドアクローザーを購入してしまい余計な費用がかかるリスクが高くなります。また、以前のドアクローザーと現在販売されているドアクローザーとは、取り付け方法が異なる場合があり、ドアクローザーを固定するネジ穴の位置を新たに調整して開ける必要があります。扉の上枠に正確にドアクローザーのネジ穴を開けるのは非常に難しく、穴の位置がずれてしまうとドアクローザーを付ける位置もずれてしまい、最悪使えなくなってしまう恐れもあるでしょう。万が一、取り付け方向を間違えると1度はずしてから再び付け直さなければならず手間がかかります。ドアクローザーの開閉速度を変えようとして速度調整弁を緩めすぎると、油漏れしてしまうことがあります。1度油漏れしたドアクローザーは修理が不可能なため、せっかく新品のドアクローザーを購入したのに無駄にしてしまう可能性があります。ドアクローザーはドアの上枠という高い位置に付いているため、取り外しも設置も脚立などを使い行わなければなりません。手元にばかり気を取られていると脚立から転落し、頭を打つなど大きなケガをするリスクがあります。このような事態を避けるためには、油漏れしたドアクローザーの交換は業者に依頼するのが最適と言えるでしょう。業者にドアクローザーの交換を依頼すれば、自宅の玄関ドアに適合するサイズのドアクローザーを探したり、設置方法を調べる必要もありません。扉を開けた際に固定する位置や閉まる速度の調整など細かい作業も、すべて業者が行ってくれます。専門業者によっては、平日だけではなく土日や祝日などでもドアクローザーの設置作業に対応してくれる所もあり、自分の予定に合わせて作業を依頼できることがメリットとして挙げられます。ドアクローザーが油漏れをすると、扉まで流れて汚れることがあります。そうした場合は、正しい方法で掃除をしないと扉自体を傷めてしまうことがあるため注意しましょう。
◎ドアクローザーが油漏れした場合のドアの掃除方法
ドアクローザーが油漏れをすると、扉に黒い筋ができて汚れてしまいます。油は粘性があり水だけでは落ちないため、やり方に注意しながら掃除を行う必要があります。掃除せずに放置していると油が染み付いてしまい取れにくくなってしまいます。扉の劣化を早める原因にもなるため、できるだけ早めに行うようにしてください。間違った方法でドアの掃除を行うとかえって汚れを悪化させてしまうこともあるため注意しましょう。玄関ドアなど、木製の扉にドアクローザーの油漏れの汚れが付いた場合は、最初に料理で揚げ物を作る時に使用する油吸い取りシートや、乾いたふきんで扉の油を乾拭きしましょう。油がだいたい取れたら、ホームセンターなどで販売されている木製扉専用の洗剤を使い掃除してください。専用の洗剤であれば木製扉を傷めることなく、きれいに仕上げることが可能です。手元にない場合は、家庭で使用している食器洗い用の中性洗剤を薄めて代用できます。弱アルカリ性の洗剤や塩素系洗剤など刺激の強いものは扉を傷めるため使用しないようにしましょう。最後に、乾いたふきんで乾拭きをしてください。油は熱で柔らかくなる性質があるため、中性洗剤を薄める際にはぬるま湯を使うと効果的です。アルミ製やスチール製などの金属製の扉も、中性洗剤を使い同様の手順で掃除を行います。金属製の扉は、木製扉と比べて成分が中に染み込みにくいため、比較的簡単に油漏れを掃除できます。ただし、油が酸化したり腐食すると金属製の扉が変色してしまうことがあるため、油漏れを見つけたら早めに拭き取るようにしてください。浴室などに使われている樹脂製扉も同様の方法で掃除できます。金属製の扉と同じく樹脂製の扉も変色が起こりやすいため、早めに拭き取りましょう。ドアクローザーの油漏れでフローリングの床を汚してしまった場合、ワックスがけしているフローリングの場合もアルカリ性や塩素系の洗剤の使用は避けて中性洗剤を使って掃除するようにしてください。一部のフローリングは、水拭きができないものもあります。オイル塗装を施されたフローリングは水分や洗剤の成分が染み込みやすくなっているため中性洗剤を使うとシミや変色の原因になります。その場合は、油吸い取りシートや乾いたふきんで乾拭きをしてください。

◎まとめ
ドアクローザーの付いている開き戸が閉まるスピードが以前より速くなったり、閉まる際に「ギイギイ」と異音がする場合はドアクローザー本体から油漏れしていないかチェックしてみましょう。油漏れが起こると扉の閉まる速度が速くなり指などを挟まれてケガをするリスクが高くなるため、早めにドアクローザーを新しいものに交換してください。カギと扉の専門業者であるカギ舎では、ドアクローザーの交換などドアに関する依頼や、カギの修理・交換などの相談や依頼に24時間年中無休で対応しています。ドアクローザーの油漏れで困っている場合はぜひ当社にご相談ください。