インターホンに多いトラブルと基板修理


インターホンは今や建物に欠かすことのできない大切な住宅設備のひとつです。しかし経年劣化とともに「呼び出し音が鳴らなくなった」「通話ができなくなった」などのトラブルは少なくありません。インターホンのトラブルは自分で対処できる問題と専門資格を持つ者でなければ対処できない問題に分けられます。修理や交換は電気工事の資格を持つスタッフが在籍している業者だと、インターホン本体の交換だけでなく対応可能な場合は基板修理も行っています。この記事では、インターホンのトラブルや基板修理についてご紹介します。
◎インターホンの構造と機能
日本国内で販売されているインターホンの多くはアイホン製品かパナソニック製品です。なかでもインターホンの専業メーカーとして長い歴史を持つアイホン社は、国内シェアの5割以上を占めています。近年インターネット通販の拡大などによって宅配サービス利用数が増加していることや防犯の強化を希望する方が増えていることなどから、インターホン市場はさらに拡大しています。アイホンのインターホンを例にあげると、屋外に設置する玄関子機、室内に設置する親機で構成されています。玄関子機にはマイクやカメラが付いていて、親機にはスピーカーやマイク、モニターなどが付いています。本体内部にはそれらを司る基板があり、それぞれに信号を送っています。その信号によって室内から室外にいる来客者の姿を確認したり通話したりすることができる仕組みになっています。アイホンのインターホンには3つの電源方式があります。AC電源直結式はインターホンのなかに直接電源線を接続するタイプです。電気配線が本体内部と壁の中に隠れるので、見た目が良くすっきりしています。直接電気配線と接続するため、電池残量を機にすることなく使用できます。しかし、電気配線工事を行わなければいけないため、壁に穴を開ける必要があることと、有資格者でなければ取り扱うことができないことを覚えておきましょう。AC電源プラグ式は、本体から出る電源コードをコンセントにつないで電源を供給するタイプです。配線工事を必要とせずとも安定した電源供給が可能になりますが、コンセントの近くに設置しなければいけないなど設置場所の制約や電源コードが露出してしまうデメリットがあります。乾電池式のインターホンはインターホンの電池ボックスに乾電池を挿入して電源を供給するタイプです。AC電源プラグ式と同様、一切の配線工事は不要ですが、個人で電池交換を行う必要があるので電池切れにならないよう注意しなければなりません。アイホンのインターホンは機能に応じてさまざまな製品が販売されています。現在発売されているアイホンのインターホンにはモニター付きワイヤレス子機対応テレビドアホン、テレビドアホン、非常ボタン付きテレビドアホン、ワイヤレステレビドアホン、受話器式テレビドアホンがあります。アイホンのインターホンは来客者の姿を確認したり通話したりするだけでなく、外出先でも来訪者の対応ができるスマートフォン連動機能やインターホンから電気錠付きのドアの解錠を行える電気錠対応機能、不在時にも荷物が受け取れる宅配ボックス連携機能などが付属している機種もあります。アイホンのインターホンは長い歴史のなかで、時代に合わせて多様に進化しています。

◎インターホンによくあるトラブルとその原因
アイホンのインターホンに限らず、電子機器は長く使用していくなかでトラブルを避けることはできません。とくにインターホンは屋外にも設置する特性上、経年使用につれてトラブルが発生しやすい機器のひとつです。インターホンの耐用年数は一般社団法人インターホン工業会によって、一般住宅用で10年、集合住宅用で15年と定められています。耐用年数に近づいているまたは耐用年数を超えている場合は、不具合が発生しやすくなっていることを念頭に置いておきましょう。インターホンにはさまざまなトラブルが起こり得ますが、とくに多いトラブルの症状とその原因をいくつかご紹介します。「インターホンの呼び出し音が鳴らない」場合の原因としては、親機のスピーカーの異常、子機のボタンや配線の異常が考えられます。スピーカーや配線の異常はインターホン内部の基板や配線をひとつずつ細かく点検していく必要があります。子機のボタンの異常は、隙間から何らかの異物が混入しているなどの可能性を検討します。「突然、親機と子機で通話ができなくなった」場合には、親機のスピーカーの異常、子機のマイクや配線の異常などが考えられます。これらも電気配線やインターホン内部の基板の点検を行わなければ原因を見つけることができません。「スピーカーから聞こえる相手の音声が乱れる」場合には、配線の異常や不適切な設置場所が原因になることがあります。配線の異常には電気配線の断線や配線の腐食、配線が電気線と触れてノイズが発生している可能性などが考えられます。また反響しやすい場所や無線ルーターやテレビと近い場所などに親機を設置すると、ハウリングやノイズの混入が発生するケースもあります。配線を確認すると同時に設置場所やその周囲の環境についても確認します。「インターホンの呼び出し音が勝手に鳴る」または「呼び出し音が鳴りっぱなしになる」トラブルには、インターホン内部の基板の結露や配線の断線、子機への異物が混入している可能性が考えられます。インターホンの子機は外気にさらされるため、雨水や風、砂ぼこりなどの外的環境による被害を受けてしまうことがあります。「モニターに相手の映像が映らない」場合の原因としては、親機のモニターの異常や子機のカメラや配線の異常が考えられます。このようにインターホンのトラブルは数多く見受けられ、同じ症状でもその原因はさまざまです。カメラレンズの破損や配線の断線など見た目で異常が分かる場合もありますが、インターホン内部の基板の構造は複雑であるため、トラブルの原因の特定は専門家でなければ難しいことが多いでしょう。

◎インターホンにおけるトラブル発生時の対処法
インターホンに不具合が発生した際には、戸建て住宅か集合住宅か、賃貸か持ち家かによって対応が異なります。持ち家の戸建て住宅においてはすべての設備が所有者管理となります。トラブルが発生したら、症状が悪化する前にすみやかに専門業者に対応を依頼すると良いでしょう。賃貸戸建て住宅においては、まずは各種設備の所有者である管理者にトラブルを報告し、専門業者による対処を求めましょう。インターホンが使用できなくなると来客や宅配業者の訪問に気が付かないなど生活が不便になるだけでなく、防犯面でも心配です。一方集合住宅においては対処法が少々異なります。集合住宅も戸建て住宅同様にインターホンが使用できなくなることによる弊害が大きいので直ちに対処したいものですが、持ち家であってもインターホンのトラブル対応を個人で勝手に行うことができないケースがあります。集合住宅の場合は、まずはインターホンの管理者を確認しましょう。集合住宅のインターホンの管理は居住者ではなく、共有設備として建物所有者によって管理されていることが多いです。また集合住宅のインターホンはオートロックや火災報知器などと連動しているケースが多いので、トラブルの原因によっては集合住宅全戸のインターホンの入れ替えが必要になる可能性もあります。そのため、集合住宅でインターホンのトラブルが発生した場合には専門業者に依頼する前に、まず管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。またトラブル対処を依頼すると同時に、インターホンの故障を張り紙などでお知らせすることも大切です。張り紙には故障している旨を記載するほか「ドアをノックしてほしい」「記載した番号に電話をかけてほしい」など代替策があれば、合わせて伝えると良いでしょう。インターホンの故障は来客者や宅配業者側からすると気が付きにくいことも多いものです。また明らかに在宅しているのに応答しないことがあれば、来訪者の失礼に当たることもあるので、日頃からトラブル時の対応を考えておくと良いでしょう。インターホンのトラブルでは、自身で解決できるケースもあります。たとえば、電池式のインターホンの電池切れ、AC電源プラグ式のインターホンのプラグがコンセントに適切に挿入されていない、音量が0に設定されているなどの問題が該当します。まずは正しく電源が供給されているか、各種設定に問題がないかを説明書を読みながら自身で確認してみましょう。電源や設定に問題がなかった場合は、自力でのトラブルの原因の解明や修復は難しいため、インターホンの基板や配線関係の問題など専門業者の対応が必要になります。電気配線に触れる作業は、電気工事士の専門資格がなければ行うことができません。電気配線作業はときに感電事故や漏電による火災など重大な事故につながりかねません。電気配線には触れないようにしましょう。
◎インターホンにおける基板修理とは
インターホンの構造では、インターホンの全ての動きを司る基板があります。基板は絶縁体の上に電子部品が配置され固定してある部品で、いわば電子回路の集合体です。インターホンの場合だと、通話機能や解錠機能などが作動するための重要な部分になります。インターホンは基板から送られる電気信号によって、それぞれが連携しあって動作する仕組みになっています。インターホンの基板に何らかのトラブルが発生するとそれぞれの機能が正常に働かなくなってしまうので、インターホンのトラブルと基板は密接に関係しているといえます。インターホンの基板のトラブルとしては、基板内の電子部品の故障、基板と電子部品の接着不良などがあげられます。インターホンのトラブル時は基板修理か本体ごと交換するかで分けられます。トラブルの内容にもよりますが、インターホンの専門業者であれば基板修理に対応できる場合があります。インターホンのトラブルが発生した場合には、まずはその原因を特定しなければなりません。インターホンが動作しなくなった場合は、症状に対し電気信号の流れと反対の順番で点検しながら原因を探ります。何らかの電子回路にブロックが生じていることがわかれば、基板修理を検討します。故障や不具合が一部分である場合は、基板修理で対応できる可能性が高くなります。基板修理を行う場合、インターホンの電源を切ったのを確認してから基盤を取り出し、点検を行います。まず、基板上の部品の問題なのか、それとも配線の問題なのかを判断していきます。たとえば、特定の電子部品の故障が判明した場合は、該当する電子部品のみを取り換えて再び基板に固定し直すことで基板修理ができます。電子部品に故障がなく電子部品の配線と基板の接着が不十分なことが原因だった場合は、配線と基板を再び固定し直すことで基板修理ができます。基板修理後は、基板上についているホコリや汚れを取り除くなどの清掃を行います。アルコールで拭いた場合はしっかり基盤を乾燥させてから、インターホンに取り付けて、最後に動作確認をして完了します。インターホンのトラブルは放置すると症状が拡大し、基板修理では済まなくなってしまい、インターホンの交換が必要になる場合があります。基板修理で解決できる可能性を高めるためにも、気になる症状が出てきたら、早めに基板修理ができるインターホンの専門業者に点検の依頼をしましょう。
◎インターホンを長く使うポイント
インターホンは経年劣化による寿命を避けることができませんが、長く使用するためにはいくつかのポイントがあります。まずは玄関子機の設置場所を工夫することです。玄関子機は屋外に設置する特性上、外気の影響を受けて損傷しやすい部品です。玄関子機はできるだけ直射日光や雨風、砂ぼこりに直接さらされない場所に設置すると良いでしょう。たとえば、道路に面している場所に設置している場合には、設置場所を変更すると機器を長持ちさせることができます。また設置場所を変更することが難しい場合は、インターホンカバーを装着することもおすすめです。雨や砂ぼこり、雪などから簡単にインターホンを守ることができます。また日々のお手入れも大切です。玄関子機本体カバーやレンズなどを細かい繊維の柔らかい布でやさしく拭いて手入れすると良いでしょう。室内に設置する親機も同様に、定期的にほこりや汚れを拭きとることをおすすめします。

◎まとめ
インターホンのトラブルにはさまざまな原因と症状があります。カギ舎では専門資格を持つスタッフがその原因を調査し、お客さまのご要望に沿って最適な解決方法をご提案いたします。たとえば、基板の一部の故障や不具合が原因の場合は、基板修理を行うことも可能です。お見積りは無料でお受けしております。インターホンに関するお悩みがありましたら、お気軽に当社までご相談ください。

