最先端技術を活用した仕組みで多彩な機能を搭載するIPインターホン

インターホンは、防犯アイテムとしても需要が高まっていますが、従来のインターホンではアナログ回線の仕組みのため、セキュリティ面や利便性において多くの課題がありました。IPネットワークやPoE給電などの仕組みを利用して通信を行うIPインターホンは、次世代型インターホンシステムとして今注目されています。多くの機能を有するIPインターホンはアナログのインターホンが抱える課題を解決し、さまざまなシーンでセキュリティに強いインターホンシステムの構築を実現します。この記事では、IPインターホンの仕組みや機能についてご紹介します。

◎従来インターホンの課題を解決するIPインターホン

IPインターホンは、LANやIPネットワークを経由して、音声や映像を送る仕組みを利用したインターホンです。従来のインターホンでは、アナログ回線の仕組みにより通信距離に制限がありましたが、IPインターホンは訪問者の応対や解錠などを距離に関係なく行えるため、空き巣被害を防止しセキュリティを強化することができます。ケーブルが届かない場所であっても、無線LANのアクセスポイントを経由してIPインターホンの送受信ができる仕組みです。オフィスや病院などで広範囲に分散している拠点間でも、IPインターホンなら通話や連携した機器の操作ができます。また不在時に宅配業者の対応を遠隔で行い、IPインターホンで置き場所を指定することができるため、利便性にも優れています。不鮮明になりがちであったアナログのインターホンの通話や画像も、IPネットワークの仕組みを利用しているため、遠隔であっても高画質、高品質な通信を提供します。IPインターホンは訪問者の顔がよく見えない、声が聞こえにくいということもなく、映像を拡大して見ることもできるため、訪問者の顔をしっかり確認しセキュリティ性を高めることができる仕組みです。インターホンを新規で取り付けたり交換したりする際、従来は複雑な仕組みの配線工事でコストが高額になっていましたが、IPインターホンはサーバーが必要ないため、省スペース、低コストで導入することができます。マンションのインターホンの取替を検討している場合にも、IPインターホンなら手間と費用を大幅におさえることができます。またアナログのインターホンは親機と子機を配線で接続する仕組みであるため、増設できる機器の数に制限がありましたが、IPインターホンはIPネットワークとLANを経由する仕組みであるため、大規模な建物でも接続可能です。そのためIPインターホンは、工場や商業施設、オフィス、学校などさまざまな規模の施設に対応できるのです。さらにIPインターホンはシステムを一括で管理するマネジメントプラットフォームを導入しているため、管理者は管理用PCで監視やログの確認、デバイス登録の追加、削除、メンテナンスなどを行うことができ、管理、運用の業務効率化を図ることができます。従来のインターホンの課題を解決する次世代型IPインターホンは、さまざまなニーズに応え、今後も更なる需要が見込まれます。

◎最先端技術を駆使したIPインターホンの仕組み

IPインターホンは、従来のインターホンとは仕組みや構成に違いがあります。IPとはインターネットプロトコルのことで、データがインターネットを通過する際小さな断片に分割されるパケットを、ルーティングやアドレス指定するためのルールセットです。IPインターホンは、VPN接続によってIPアドレスを設定する仕組みです。VPN接続とは「仮想専用通信網」という意味で、仮想的な専用回線を用いて第三者からのアクセスを防ぐ技術です。この仕組みを利用して、IPインターホンは費用をおさえて安全に通信を行うことができるのです。IPネットワークやLANを経由するデバイスにはIPアドレスが割り当てられ、IPインターホンはデジタルデータ化された訪問者の音声や映像をアナログに復元し、電話網へ送信される仕組みです。アナログのインターホンは音声や映像を親機に送信する通信線と、親機に電源を供給する電源線の2本の配線が必要なアナログ回線の仕組みでした。電源線はVVFケーブルという太い線で場所を取るうえ、配線工事は複雑な仕組みのため電気工事士の資格を持っていないと行えません。一方IPインターホンはPoE給電に対応しており、複雑な配線工事やサーバーや制御装置の設置が不要です。PoE給電はLANケーブルの信号線を使用し、データとともに電力を供給する仕組みであるため、配線が簡易的でIPインターホンの工事コストも削減できます。またIPネットワークハブにLANケーブルを挿し、給電機器と直接接続して電源供給を行う仕組みのためコンセントが不要であり、IPインターホンを取り付ける場所の自由度が増します。このように、最先端技術を活用した仕組みで構築されるIPインターホンシステムには、多くのメリットがあるのです。

◎IPインターホンの仕組みを利用した機能

IPインターホンにはその仕組みを利用した色々な機能があり、セキュリティ性や利便性に優れた最新のシステムです。訪問者と通話したり映像を録画したりできる基本的な機能のほかに、アナログのインターホンにはない便利な機能がIPインターホンには搭載されています。IPインターホンは訪問者の用途によって、複数の端末から呼出先を選択することができるため、その都度受付や窓口を通すことなく迅速な対応が可能です。親機の代わりにスマートフォンやPC、タブレットなどでも対応できるIPインターホンは、企業で導入する際にも1人ひとり端末を支給する必要がないため、コスト削減にも貢献します。無人店舗でIPインターホンを活用する場合、出先でも手持ちのツールで対応することができるため、窃盗被害の防止にも役立ちます。手持ちのツールでIPインターホンを使用するには専用アプリをインストールするだけなので、手間を要しません。留守中に訪問者があった場合も手持ちのデバイスに転送できる仕組みになっているので、外出中に子どもが帰宅した場合でもリアルタイムで通話ができて安心です。IPインターホンは、VPN接続により遠距離でも操作が可能な仕組みのため、オートロックを施錠し忘れても外出先からスマートフォンで施錠ができます。また子どもが鍵を忘れて外出してしまった場合、スマートフォンから解錠することも可能です。解錠の認証方法は、顔認証や暗証番号認証、カード認証、QRコード認証などから選択できます。IPインターホンはその仕組みを活用して防犯カメラや人感センサー、表示灯、エレベーター制御機などの他社製品とも連携可能です。親機で訪問者の映像を確認することもできますが、IPインターホンと防犯カメラを連携すれば訪問者がインターホンを押す前の映像を確認できるほか、その周辺の広範囲の映像も確認できるため、よりセキュリティ性を強化することができます。エレベーター制御機とIPインターホンを連携すれば降りる階を指定できる仕組みで、不審者が入室した際に該当の階で降りることを防ぐことができるため安心です。

◎IPネットワークの仕組みでインターホンの概念を変えるIXシリーズ

アイホンのIXシリーズは、IPインターホンの仕組みを活用して、受付や出入り口の応対、映像の監視、内線連絡、トイレの呼び出し、放送などさまざまなな機能を搭載しています。IXシリーズのネットワーク上の接続台数は、端末ごとに最大9,998端末までアドレスを登録することができます。そのため大型商業施設や、学校、病院などの公共施設、従業員数の多い企業などでも十分対応可能です。PoE給電の仕組みを活用した配線により、マンションのインターホンの新規取付や交換の際も各部屋の電源工事は必要ないため、IPインターホンは省スペースで低コストに設置できます。IPインターホンIXシリーズの不在時転送機能にはワンタッチで設定できる不在転送や、一定時間応答がなければ自動転送に切り替わる遅延転送、あらかじめ時間帯や曜日を設定して転送するスケジュール連動転送などがあり、状況に応じて選択することが可能です。訪問者はIPインターホンの子機端末で呼出を行う際に個別での呼出はもちろん、グループでの呼出も可能なため非常に利便性に優れています。IPインターホンIXシリーズはIPネットワークの仕組みを活用して、さまざまな他社製ネットワーク製品と連携することができます。たとえば、人感センサーとIPインターホンを連携すれば、非接触で衛生的な呼出が可能になり、感染症対策にも有効です。回転灯とIPインターホンを連携して呼出着信を回転灯で知らせるように設定しておくと、トラブルの発生場所が視覚的に確認できるため、迅速な対応が可能です。さらにアイホンのIPインターホンIXシリーズは、インターホン業界初の国際標準規格であるONVIFネットワークビデオ製品に対応しています。ONVIF製品のネットワークカメラなら、特定のメーカーに限定されずに最適な製品と連携可能です。訪問者に音声で呼出や通話、解錠の状態を知らせることができるIPインターホンIXシリーズは訪問者にもわかりやすく、はじめて使用する場合でもスムーズに操作することができます。また7型モニターで2種類のホーム画面から運用方法によって選択できることも、優れた操作性といえます。IPインターホンのカメラはLED照明を採用しており、夜間でも鮮明に映像を写すことができます。双方向映像付き通話機能では双方の顔を確認しながら通話ができるため、スムーズなコミュニケーションを図ることができるのです。映像なしで通話をしたい場合は、レンズにプライバシーマスクを付けることもできるため便利です。受付機能の呼出ボタンは自由に設定でき、IPインターホンの呼出方法を最大4種類まで表示可能なため、来訪者は迷うことなく呼出先を選択することができます。IPインターホンIXシリーズのページング機能を活用すれば、構内の一斉放送やグループを選択して放送するグループページング、スケジュールを設定して自動で放送するスケジュール連動音声メッセージなどがIPインターホン端末から行うことができます。アイホンのIPインターホンIXシリーズは多彩な機能を搭載し、安心安全で効率的な暮らしを提供します。

◎IPインターホンの仕組みを活用したIXシリーズの導入事例

IPインターホンの最先端の仕組みを活用したアイホンのIXシリーズは、さまざまな規模の施設で導入され、セキュリティ面や業務効率化における課題を解決しています。

⚪︎学校のIPインターホンにアイホンのIXシリーズを導入

学校と市役所との電話連絡の際、窓口を通すためタイムロスが発生していましたが、IPインターホンIXシリーズを導入することで直接通話できるようになり、ストレスフリーな連絡が可能になりました。工事の際も既設のLANネットワークの仕組みを活用することで、施工負担を最小限におさえることができました。災害時に体育館が避難所になることを想定して、IPインターホン端末の増設を容易に行えることも大きなメリットです。

⚪︎特別養護老人ホームのIPインターホンにアイホンのIXシリーズを導入

防犯体制の強化やシステムの一元化を目的に、特別養護老人ホームにIXシリーズを導入しました。IPインターホンIXシリーズはスタッフ呼出ボタンや電気錠、火災警報システムなど、他社製機器と連携することができるため、利便性の高い「緊急連絡システム」の仕組みを構築することができました。PoEスイッチを経由するIXシリーズの仕組みを利用し、LANケーブル1本で送受信を行うことで、長距離配線にも対応できます。また利用者が窓から外に出てしまった時も端末に警報で知らせ、すぐに駆け付けることができました。

◎まとめ

IPインターホンは基本機能にとどまらず、従来のインターホンにはない多彩な機能を搭載し、幅広い施設や企業に導入されています。遠隔操作での施錠などの防犯性はもちろんのこと、スマートフォンへの転送機能や他社製機器との連携など、利便性の高い暮らしも実現するIPインターホンシステムは、PoE給電の仕組みにより簡易的に低コストで導入することができます。最先端の仕組みを活用したIPインターホンをご検討の方は、年中無休・24時間体制のカギ舎へお問い合わせください。

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