オートロックのない中古マンションの鍵交換
オートロックのない中古マンションに新たに入居するとき、分譲タイプと賃貸タイプどちらの場合でも、玄関ドアの鍵交換を行う必要があります。この記事では、中古マンションにおける玄関ドアの鍵交換を行う理由や、鍵交換で選ばれている鍵の種類、中古マンションの鍵交換を行う際の注意点など詳しくご紹介します。
◎分譲マンションと賃貸マンションの鍵交換
中古マンションは大きく、分譲マンションと賃貸マンションの2つに分けられます。分譲マンションとは、集合住宅であるマンションを一戸ずつ販売した建物を言い、中古マンションを購入した人が部屋の区分所有者となります。購入費用はローンを組んで払うことが多く、そのほかに維持費や修繕費、固定資産税などの支払いが発生します。分譲タイプの中古マンションは、専有部分と共用部分があります。エントランスや廊下、エレベーターなどは、ほかの入居者と共同で使用する共用部分ですが、自分の部屋は専有部分として所有権を持っているため、キッチンの交換や部屋の壁紙の張り替えなどリフォームが可能です。一方の賃貸マンションは、毎月中古マンションの管理会社やオーナーに家賃を支払い、部屋を借りている形です。中古マンションの賃貸タイプに入居する際には、契約時に敷金や礼金、仲介手数料などの支払いが必要となります。そのほかにも、共益費や更新費などを払わなければなりません。ただし賃貸タイプは所有権がないため、固定資産税を払う必要はありません。中古マンションの部屋は区分所有者から借りている形になるめ、原則として勝手に業者に依頼しても室内やキッチンなどのリフォームをすることはできません。このように、さまざまな違いのある中古マンションの分譲タイプと賃貸タイプですが、どちらも新たに中古マンションに入居する際は、鍵業者に依頼をして鍵交換を行う必要があります。分譲タイプの中古マンションは、入居する際に不動産屋や管理会社が業者に依頼して鍵交換を行うことはありません。中古マンションを購入した場合、以前の区分所有者が現在も中古マンションの部屋の合鍵を持っている可能性があります。前オーナーが合鍵を使い中古マンションの部屋に勝手に入る可能性がまったくないわけではないので、安全のためにも業者に依頼して鍵交換を行いましょう。特に中古マンションに入居する際に、区分所有者経由で渡された鍵が契約書の本数より少なかった場合には気をつけましょう。賃貸タイプの中古マンションの場合、基本的には以前の入居者が退去した後に管理会社の依頼で業者が鍵交換を行います。その後新たな入居者が敷金などと一緒に鍵交換の費用を支払うというシステムとなっていることが多いです。賃貸タイプの中古マンションの場合、以前の入居者が勝手に合鍵を作成して、所持しているケースが考えられます。そのため、新たに中古マンションに入居する際には、入居前に鍵業者が中古マンションの鍵交換をしたかどうか管理会社に確認すると良いでしょう。賃貸タイプや分譲タイプも築年数が長くオートロック機能がない中古マンションの場合、防犯性の低い古いタイプの鍵を使い続けているケースがあります。ピッキングなどに強い、セキュリティ性の高い鍵に変えたい場合は業者に頼むなどして鍵交換を行いましょう。中古マンションの経年劣化により鍵穴や鍵自体が古くなっており、ドアを施錠や解錠する際に鍵がシリンダーにささりにくい、ささっても回りにくいなどの不具合が起こることがあります。古い鍵を使い続けると突然解錠ができなくなったり、鍵がシリンダー内で折れてしまうなどのトラブルが想定されるため、中古マンションの鍵は早めに業者に依頼して鍵交換しましょう。


◎中古マンションに取り付けられている玄関ドアの鍵
中古マンションで使用される鍵は多くの種類があり、どの種類に鍵交換するかによって設置にかかる費用や防犯性の高さが異なります。中古マンションなどで以前から広く使用されている金属製の鍵には、ディスクシリンダー錠やピンシリンダー錠などがあげられます。ディスクシリンダー錠は鍵の両側に鍵山があるのが特徴です。シリンダー内部に円盤状のタンブラーとスプリング、ピンが内蔵されており、鍵をシリンダーに挿し込み回すことでピンが動き解錠します。ディスクシリンダー錠は空き巣がよく使う手口のひとつであるピッキングに弱いとされています。現在はほとんど見かけませんが、古い中古マンションでは使われている可能性があります。初期のピンシリンダー錠は、シリンダー内に4〜7本のピンが入っており、鍵をシリンダーに挿して回しピンの高さを合わせることで解錠する仕組みとなっています。鍵山が鍵の片側のみにしかなく非常に構造がシンプルなためやはり防犯性が低いとされています。ディスクシリンダー錠や初期のピンシリンダー錠は安全性に不安が残るため、防犯性の高いものに鍵交換した方が良いでしょう。エントランスのない中古マンションでは、誰でも玄関前まで来ることができるので、玄関ドアの防犯性を高めることは非常に重要となります。防犯性の高い鍵としてはディンプルシリンダー錠やロータリーディスクシリンダー錠、マグネットタンブラー錠などがあげられます。ディンプルシリンダー錠は、鍵の表面には深さや大きさの異なるくぼみがあり、シリンダー内部に複数のピンがあるなど非常に精密な構造となっています。鍵の裏表のないリバーシブルタイプもあり、防犯性に優れているだけではなく使い勝手が良いことも特徴です。ロータリーディスクシリンダー錠は、シリンダーに鍵を挿し込み回すと、内部のピンが揃いタンブラーが回転して解錠するためその名前が付けられました。ピッキングが困難な複雑な構造となっており防犯性の高い鍵と言えます。マグネットタンブラー錠は、タンブラーに磁石を利用しており「S極同士もしくはN極同士は反発し合う」「違う極同士は引き合う」という磁石の性質を生かした鍵です。鍵山はありませんが、鍵の裏側にフェライト磁石が埋め込まれているため黒い点がいくつか見られます。フェライト磁石とは、酸化鉄を材料として製造された磁石でサビや腐食に強いと言われています。シリンダーに鍵を挿して回すと鍵のフェライト磁石と内筒の磁石が反発して、鍵内部のピンが押し上げられ解錠します。ピッキングに強く不正な合鍵の作製も困難とされているため防犯性が高いとされています。業者に依頼して中古マンションの鍵交換をする場合には、金属製の鍵ではなく電気錠や電子錠に鍵交換するという選択肢もあります。

◎セキュリティの高い電気錠や電子錠に鍵交換
最近は防犯対策のため、中古マンションでも鍵業者に依頼して、電子錠や電気錠を導入するケースが増えています。電気錠とは、電気工事の資格を持った鍵業者が配線工事を行い、電気錠と制御盤、操作器をつないで電源を供給して作動する鍵のことを言います。電子錠は、乾電池から電源を取り施解錠を行う鍵です。電気工事が必要ないので、導入がしやすいのがメリットです。中古マンションの鍵を業者に依頼して電気錠や電子錠に鍵交換すれば、ドアにシリンダーがないためピッキング対策を講じることができます。中古マンションに取り付けができる電気錠や電子錠は、暗証番号タイプやカードタイプ、リモコンキータイプやタッチキータイプ、指紋認証タイプなどの種類があげられます。暗証番号型の電気錠は、テンキーやタッチパネルにあらかじめ定められた暗証番号を入力することで解錠できます。電気錠や電子錠にすると鍵を持ち歩く必要がないため、鍵紛失のリスクがありません。カード型は、リーダーと呼ばれる読み取り機器にICカードを通したりかざしたりすることで解錠できます。リモコンキー型は、バッグやポケットのなかからリモコンのボタンを押すことで鍵を開けられます。解錠するたびにその都度取り出す必要がないため手軽で便利です。タッチキー型はポケットなどに鍵を入れておけば、ドアハンドルのボタンを押したり手で触れるだけで解錠できます。指紋認証型は、人間の生体情報を使用した解錠方法です。リーダーに登録しておいた指紋を読み取らせて本人確認確認を行い、玄関ドアを解錠します。
◎中古マンションの鍵交換をする際の注意点
中古マンションの鍵交換を業者に依頼して行う場合には、まず管理会社やオーナーに連絡して鍵交換の許可を得ることが必要です。分譲タイプの中古マンションの部屋の玄関ドアは、内側は専有部分、外側は共用部分となっているため、鍵交換を勝手に行うことはできません。自分でもしくは業者に依頼して鍵交換する場合は、管理会社の許可が必要となります。賃貸タイプの中古マンションの場合、鍵は管理会社の所有物という形になっています。そのため無断で鍵交換することはできず、管理会社に連絡せずに業者に依頼して鍵交換すると契約違反となります。特に悪質だと判断された場合は、損害賠償を請求されるケースもあるため注意してください。業者に依頼して中古マンションの鍵交換を行う際の費用は、鍵の種類により異なってきます。
◎鍵交換に火災保険が使えるケースも
中古マンションの火災保険は、住居を守るための保険であり、火災が起こったときだけでなく、地震や落雷、台風、外から物が飛んできて玄関ドアが破損したといった際に、鍵交換の費用を補償してくれるケースがあります。賃貸タイプの中古マンションに住んでいる場合、賃貸契約時に火災保険に加入します。 火災保険は大きく分けて家財保険、借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険の3つで構成されており、このうち家財保険が鍵交換に適用される場合があります。ただし場合によっては対象外になるケースもあるため、事前に管理会社に確認しておきましょう。分譲タイプの中古マンションの場合、共用部分については中古マンションの管理組合が火災保険に加入しています。専有部分の火災保険へは自分で契約して加入しなければなりませんが、加入は任意であり義務ではありません。しかし中古マンションの鍵交換に火災保険が適用される場合があるため、加入していた方が良いでしょう。
◎中古マンションの鍵交換は専門業者へ依頼を
中古マンションの管理会社から許可を得たら、自分で鍵交換する場合と業者に頼み鍵交換する2つの方法があります。中古マンションのドアに設置できる金属製の鍵は、ホームセンターやインターネットで購入ができるため、鍵交換を自分で行うことは決して不可能ではありません。電気錠の設置は、電気工事士の資格を持つ専門業者に鍵交換を依頼しなければなりませんが、電子錠については専門業者に依頼しなくても自分で設置できる製品もあります。ただし自分で鍵交換を行うと、購入した鍵や部品が中古マンションの玄関ドアに合わなかったり、誤った取り付け方をすると、シリンダーに鍵が正しくささらなくなることがあります。さらに作業中に玄関ドアを傷つけてしまうと、余計費用がかさむリスクがあります。電子錠に関しては、取り付けたら正常に作動しないなどのトラブルが起こることも考えられます。中古マンションの鍵交換を鍵の専門業者などプロの業者に依頼する場合は、製品代のほかに作業費や出張費がかかります。鍵の専門業者は、中古マンションの玄関ドアに適切な鍵を選び、短時間で丁寧に鍵交換をしてくれます。鍵の専門業者の多くは、中古マンションの鍵交換作業が終了してからも保証期間を設けていたり、アフターサービスがあるため安心です。中古マンションにおける玄関ドアの不慣れな鍵交換に長い時間を費やしたり失敗するリスクを考えれば、安全に鍵交換ができる業者に依頼するのが安心でしょう。

◎まとめ
オートロックのない中古マンションに新たに入居する場合には、防犯面などを考慮しながら専門業者に鍵交換を依頼する必要があります。セキュリティ性の高い鍵や電子錠などに交換する場合には、分譲タイプと賃貸タイプのどちらも管理会社の許可が必須です。中古マンションの鍵交換をする際には、鍵のプロが所属する業者に依頼するのが最適です。東京に本社を置く鍵の専門業者のカギ舎では、オートロックのない中古マンションの鍵交換など、鍵に関するあらゆる依頼に24時間年中無休で対応しています。中古マンションの鍵交換をどこの業者に頼めばよいかわからないという場合は、ぜひカギ舎にご相談ください。