IPインターホンを活用したマンションの置き配対策
近年、ネット通販の拡大や宅配業者のドライバー不足などの影響を受けて、置き配サービスを推奨する宅配業者が増えています。マンションのエントランスにIPインターホンを活用すると、置き配対策もスムーズに行えます。IPインターホンは不在中に宅配業者が来た場合、手元のスマートフォンアプリから、遠隔操作でオートロックを解除し置き配の依頼が可能です。この記事では、IPインターホンと置き配の連携によるメリットや、P2PエントランスインターホンPE01の特徴などをご紹介します。
◎不在でも荷物を受け取れる置き配とは
置き配とは、宅配業者が荷物を届けに来た場合に、荷物を手渡しではなく、指定された場所に届けるサービスです。置き配の場所は、玄関前や宅配ボックスなどが一般的ですが、配送業者によっては物置、車庫、ガスメーターボックスなどを指定することも可能です。置き配サービスを利用すると、荷物を受け取るためだけに在宅する必要がありません。置き配対策は、不在中だけでなく、在宅でも手が離せない時などにも活用できる便利なサービスです。たとえば、在宅でもリモート中の場合、荷物を受け取れないことがあります。そのような場合に置き配サービスを利用すると、リモート中に荷物の受け取りを気にすることなく、後で荷物を確実に受け取れます。国土交通省においても、インターネットによる通信販売が増加するなか、トラックドライバーの人手不足による再配達の削減対策の取り組みにより、多様な受け取り方法から宅配ボックスや置き配などが推奨されています。そのことから宅配業者でも、指定した場所で荷物を受け取れる置き配対策を行う宅配業者やECサイトが、年々増えているのです。また、これまではオートロックマンションの置き配の対策は難しいとされていましたが、近年、オートロックマンションの置き配対策として、デジタルキーなどを活用した置き配サービスも提供されています。オートロックマンションの管理者やオーナーが、宅配業者のオートロック解除を許諾すると、荷物を届けに来た場合、配達員がデジタルキーでオートロック解除し利用者の希望する指定場所に置き配します。また、エントランスなどの扉を、スマートフォンアプリで解錠するタイプのオートロックマンションであれば、インターホンから宅配業者や来訪者から呼び出しがあった場合、スマートフォンアプリから遠隔操作でオートロックを解錠することができます。
◎置き配の導入が増えている背景
荷物の置き配の需要が増える背景にはいくつかの要因が考えられます。近年、さまざまな生活様式の多様化により、インターネットの通信販売の拡大に伴い、宅配による荷物の取扱個数が急速に増えています。背景としてネットショッピングの利用率が高くなったことや、スマートフォンの保有率が増えたことがあげられます。ネットショッピングや通信販売は、利用者が実店舗に行かなくても家でショッピングできる手軽さが魅力です。年ごとにスマートフォンの利用者が増加し、スマートフォンからネットショッピングや通信販売を購入する人が増えています。そのことから、スマートフォンで気軽にネットショッピングできる機会が増えたことで、荷物の取扱個数が増加したことの要因のひとつともいえます。物流業界においては人手不足が深刻化しています。宅配の取扱個数が増加するなか、トラック運転従事者が減っていることが現状です。トラック運転者は40~50歳代の割合が多く、束縛時間が長いことや体力的にも負担がかかる職種なため定着率が低く、若年層の人材が不足していることが要因にあげられます。配送会社では、慢性的な人手不足の状態が続いているため、人手不足対策に置き配や宅配ボックスなどのサービスを行うことで、業務の効率化を図っています。置き配のニーズが増える背景には、宅配業者による再配達率が高い点もそのひとつです。荷物の取扱個数が増えたことや、小口化されたことによる配達回数が増えることにより、再配達が増加しています。再配達は、宅配業者が荷物を届ける際に、不在だった場合に荷物を持ち帰り届け先から連絡があると、再度荷物を届ける仕組みです。ドライバーは再配達に車を使用するため、CO2の廃棄物増加につながることや、配達員の労働の負担が増えることから、社会問題にもなっています。このような背景から、再配達を削減する対策の取り組みにより、不在でも荷物を受け取ることができる置き配が活用されています。
◎置き配におけるトラブルと対策
不在中でも荷物を受け取れる利便性が高い置き配サービスですが、一方で、盗難やカラス被害などのリスクもあります。置き配によるトラブルを防ぐため、宅配ボックスや防犯グッズなどを有効活用して被害に遭わないように、置き配対策を取ることが重要です。宅配ボックスは、置き配の指定場所に安全かつ、時間に縛られることなく荷物を受け取れる方法です。マンションでも置き配対策として宅配ボックスは、ここ数年で急激に普及しています。戸建て住宅やアパートにおいても普及率は、マンションより低いものの置き配対策に宅配ボックスを導入する住宅が増えています。自宅だけでなく、駅や空港、街中などにも点在しており、会社や学校帰りに受け取れて便利なシステムです。確実に荷物を収納できる宅配ボックスは、盗難などの被害を受けることなく、盗難防止対策に適した置き配場所といえます。宅配ボックスのほかにも、玄関のドアノブなどにワイヤーで固定して使用する宅配バックなども、置き配の防止対策として活用されています。置き配のトラブル対策に、指定場所などの防犯グッズを活用すると効果的です。玄関回りや置き配の指定する場所において、盗難を防止するために、防犯カメラやセンサーライトなどを活用した対策も有効です。防犯カメラの設置は、防犯性を高め盗難などの犯罪行為を抑止する効果にもつながります。センサーライトも人の動きを検知するとスイッチが作動し不審者を威嚇するため、防犯対策に有効です。置き配する場所に防犯グッズを導入することで、盗難などのリスクを低減します。また、荷物の置き配場所を工夫することで防犯性を高めます。置き配を、玄関前や通路などのわかりやすい場所に指定した場合、長時間放置すると盗まれる可能性も否定できません。ほかにも食品の場合、カラスに突かれて中身を出されてしまうケースもあります。置き配場所に、ガスメーターボックスや物置など人の目から見えにくい場所に指定するなど、盗難対策も重要です。また、雨が降り込む場所の置き配では荷物が濡れてしまうと、商品が使えなくなります。置き配場所には屋根がある場所や、天候にも気を付ける必要があります。
◎IPインターホンと置き配の連携によるメリット
IPインターホンは、IPネットワーク技術を活用した、ビデオ通話や音声通話が行える新しいインターホンシステムです。IPインターホンは、オートロック機能がないマンションでも、後付けすることでオートロック化することができます。置き配においても遠隔操作でオートロック解錠における対策など、いくつかのメリットがあります。利便性が高いIPインターホンは、スマートフォンからオートロックを解錠します。IPインターホンは、従来のインターホンと異なり、スマートフォンと連携することができるため、自宅に居なくても外出先から、スマートフォンの操作でオートロックの解錠が行えます。たとえば、宅配業者から呼び出しがあった場合、スマートフォンで会話して置き配を伝えるなど置き配対策にも有効です。IPインターホンと置き配を連携すると、荷物の受け取りによる手間を省けます。利用者にとって置き配の最大のメリットは、不在中であっても荷物を受け取れる点にあります。荷物を直接受け取る場合、行動や時間などが制限されますが、置き配対策を導入することで、荷物の受け取り時間を気にすることがありません。置き配は非対応なため、非対応での受け取りを希望する場合や、すぐに玄関先までいけない時などに役立ちます。荷物の受け取りに置き配を利用すると、再配達の低減に効果的です。再配達は、配達員の労働力や、配送する際のトラックから排出されるCO2の量など、地球環境においても負荷がかかるため、配送会社では、再配達率を下げるための対策の取り組みがされています。また、オートロックマンションは、不在中は荷物が届けられないことから、再配達する確率が高いため、近年ではオートロックマンションの置き配が問題視されています。IPインターホンは、不在中でもスマートフォンから遠隔操作でオートロック解錠することができるため、再配達の低減対策に貢献するインターホンです。
◎P2PエントランスインターホンPE01の特徴
GIGA-TECHのIPインターホンPE01は、専用アプリから遠隔操作でオートロック解錠ができ、置き配対策が行えるエントランス専用IPインターホンです。外出中に来訪者があった場合でも、手元のスマートフォンで画像を見ながら応対します。PE01は、シンプルなデザインで誰でも簡単に操作することができることから、高齢者や子どもにも使いやすい操作性と利便性に優れています。セキュリティ対策に有効なIPインターホンPE01は、室内用親機の設置が不要で、スマートフォン専用アプリをインストールするだけで、スマートフォンから来訪者の確認や応対、ロック解錠を行うことが実現します。建物の扉を解錠する方法には、QRコード、ICカード、専用ICタグキー、暗証番号、顔認証、スマートフォン専用アプリを搭載しております。QRコードには、利用者専用と来訪者用があり、利用者専用は本人用に鍵として利用することができます。来訪者用QRコードは、日時を設定しワンタイムQRコードで発行することができるため、訪問看護や身内の訪問などの一時的な解錠方法にも役立ちます。PE01はさまざまな解錠方法を搭載しており、スマートフォンやICカードを忘れた場合でも、顔認証や暗証番号認証などで入室することが可能です。顔認証はあらかじめ顔を登録すれば、認証センサー部分から1メートル以内であれば、認証することが可能なため、認証精度が高い認証方法といえます。また、PE01は宅配業者による置き配対策にも貢献します。スマートフォンから遠隔操作でオートロックの解錠ができるPE01は、宅配業者から呼び出しがあった場合、スマートフォンから画像で人物の確認や、通話で置き配の依頼を行えます。IPインターホンPE01の通話は、エコーキャンセル機能を搭載しており、双方向同時通話が実現するため、来訪者の会話が聞きやすいインターホンです。また、従来のインターホンシステムでは、新規取付やリニューアルなどの導入は、電源工事が必要になりますが、PインターホンPE01は、PoE給電を採用しているためLANケーブルでデータ通信と電力を同時に行うことができ、導入コストや手間を省きます。
◎遠隔操作で置き配ができるIPインターホンを導入した事例
機能性と利便性に優れたIPインターホンPE01は、スマートフォンから遠隔操作で扉を解錠することができ、留守中でも宅配業者からの荷物を置き配対策で受け取ることが可能です。
⚪︎単身者向けマンションのエントランスにPE01を導入
オートロック機能がないマンションのエントランスに、IPインターホンPE01を導入すると、不正侵入対策が行えるオートロック化にすることが可能です。オートロックマンションでは難しいと言われる置き配ですが、PE01はオートロック解錠を遠隔操作でできるため、宅配業者が来た場合も自宅に居なくても、置き配で荷物を受け取れます。また、とくに女性のひとり暮らしの場合、モニター付きインターホンは防犯対策に役立ちます。PE01にはモニターにより録画機能が搭載されており、不審者などがインターホンを押した場合も後で確認ができ、セキュリティ対策にも役立ちます。
⚪︎ファミリー向け集合住宅マンションのエントランスにPE01を導入
IPインターホンPE01の専用アプリをスマートフォンにインストールすると、置き配で荷物を受け取れます。子どものお迎えなどの留守中やすぐに荷物が受け取れない時に、宅配業者よりIPインターホンから呼び出しがあった場合、スマートフォンから荷物の置き配の依頼やドアを解錠することが可能です。子どもが学校から帰宅した場合も、職場から親のスマートフォンから、子どもの顔を見ながら会話してロック解錠することができ、防犯対策にも役立ちます。また、子どもが物理的な鍵を持ち歩く必要がないため、紛失のリスクがありません。
◎まとめ
宅配業者やEC事業者では、配達個数が増加するなか、再配達を軽減するために、マンションの置き配による多様な受け取り方の取り組みが進められています。IPインターホンはマンションの防止対策はもちろん、置き配サービスも受けられる機能的なシステムです。カギ舎では、新規取付や後付け、リニューアルの導入にも対応する、GIGA-TECHのP2PエントランスインターホンPE01を取り扱っております。マンションのエントランスに置き配対策を視野に入れた、IPインターホンをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。