IPインターホンとは、通信に電話線を利用する従来のインターホンとは異なり、LANケーブルを介してインターネットプロトコル(IP)ネットワーク通信を行うインターホンです。インターネット経由で通信するIPインターホンを新規取付すると、多彩な機能によってユーザビリティが飛躍的に上昇します。従来のインターホンにはない、IPインターホンだからある便利な機能のひとつは、スマホアプリです。あらかじめ専用アプリをインストールしておくと、自分のスマホを使ってIPインターホンの操作し、来訪者の呼び出しや解錠に対応できます。これまでのインターホンは本体の操作が必須でしたが、IPインターホンを新規取付してアプリを使うと、手元の端末から簡単に応対ができます。来訪者に対応するために、急いでインターホン本体の前まで走る必要はなくなります。場所を問わず、かつ来訪者を待たせることなくスムーズな応対が実現します。アプリをインストールしたスマホは、鍵としても利用できるため、フレキシブルな環境をIPインターホンで構築できます。新規取付によって利用者の利便性を上昇させるIPインターホンの機能には、外部機器との連携もあげられます。IPネットワーク通信を利用するIPインターホンは、電気錠を解錠したり、回転灯を操作して来訪者の呼び出しを知らせたりできます。IPインターホンの機種によっては、エレベーターを遠隔操作して特定のフロアのみに停止するよう操作が可能です。また、従来のインターホンは、他社製品との連携ができない製品が多くありました。一方、IPインターホンを新規取付すると、ネットワーク環境を介して製品との連携が図れます。防犯カメラや人感センサーをはじめ、連携の幅を大きく広げられる可能性をIPインターホンはもっています。電話線を使う従来のインターホンは、ひとつのインターホンに対し数台の端末しか接続できませんでしたが、IPインターホンは比べものにならないくらい多くの端末の接続が可能です。既存のネットワークインフラを使うIPインターホンは、端末を新規取付するたびに、配線工事をする必要がありません。設置数に限りがあり、新規取付時には電気工事が必要な従来のインターホンにはない機能や強みをIPインターホンは有しています。大規模マンションなど、百単位でIPインターホンの端末数の設置を希望する場合でも、設置したいエリアが広大で物理的な距離があっても、IPインターホンは時間や費用、手間のコストを極力抑えながら環境を構築できます。IPインターホンを使った、利用者が求めるコミュニケーションネットワークが実現します。IPインターホンのユーザビリティが上昇する機能のひとつには、PoE(Power over Ethernet)給電もあげられます。PoE 給電を使用したIPインターホンの利用者は、新規取付のイニシャルコストを大きく削減できるほか、導入後の配線も非常にシンプルに整えられます。PoE給電機能がIPインターホンに備わっていると、IPインターホンをネットワーク接続させるために使うLANケーブルから、稼働に必要な電気の常時共有が可能です。従来のインターホンで行ったような電気工事が新規取付時に不要となり、かつLANケーブル1本でネットワーク通信と安定した電力供給が可能とも表現できます。
安全な暮らしにおいて、インターホンのリニューアルは重要な選択肢のひとつです。従来のインターホンが抱える機能不足やセキュリティへの不安を解消するために、コストをおさえて交換が実現できる、後付けが可能なIPインターホンが注目されています。この記事では、IPインターホンの基本性能に加え、IPインターホンを後付けするメリットや専用アプリと連携することで実現する遠隔操作の強みについてご紹介します。