廃盤になったアイホンの修理


長い間アイホンを使っていると、経年劣化による不具合が起こりやすくなってきます。すでに廃盤になってしまったアイホンが故障した場合、果たして修理できるのか心配になりませんか。この記事では、廃盤になったアイホンが修理できるのかどうか、廃盤になったアイホンを使い続けるデメリット、最新のアイホンにリニューアルする手順などについて解説します。廃盤になったアイホンの修理やリニューアルを検討している方は参考にしてください。
◎廃盤になったアイホンは修理可能?
アイホンなどインターホンメーカーからは、常に最新のインターホンが製造・販売されています。年月とともに古いアイホンは製造が終了し廃盤となりますが、廃盤となったアイホンが故障したときには修理ができるのでしょうか。実はアイホンは廃盤になったからといって必ずしも修理ができないわけではなく、万が一故障してしまった場合には、修理ができるアイホンとできないアイホンがあります。インターホン工業会によると、安心・安全にインターホン設備を使用するためには一定期間を経過した設備は更新が推奨されています。その更新期間の目安として一般住宅用(家庭用)インターホンはおおよそ10年、集合住宅用インターホンは15年です。またアイホンなどのメーカーがインターホンの修理用部品や基板などを保有する期間は、インターホンの製造終了から7年です。この保有期間を経過するとメーカーは部品を持っていないため、廃盤になったアイホンが壊れてしまったときに修理ができない恐れが高まります。つまり廃盤になったアイホンでも、製造終了から7年以内は部品があるので修理は可能ですが、それ以降は部品がないので修理が難しいことがほとんどです。しかし製造終了から7年を経過したからといって絶対に修理ができないわけではなく、業者によってはまだ部品が残っているところもあるので、廃盤になったアイホンに修理をしなければならない故障が起こったら、メーカー以外にもインターホンの取り扱い業者に問い合わせてみるとよいでしょう。またアイホンのホームページでは、インターホンの販売や生産が終了となっている製品が照会できます。あわせて、品番ごとに修理対応期間がいつまでなのかも記載されているので、現在お使いのアイホンが廃盤になったのかどうかや、いつ頃修理ができなくなるかの確認が可能です。廃盤になったアイホンは早めにリニューアルの計画を立てておくことをおすすめしますが、実際に更新が終わるまでの間はいつ故障するかもわかりません。ですからリニューアルが完了するまでは廃盤になったアイホンが故障しないよう、アイホンを安全に使用することが重要です。たとえば屋外にある玄関子機は、風雨や虫などの異物が混入し内部の故障につながりやすいため、雨除けカバーの設置やこまめに清掃するなどのメンテナンスがおすすめです。また少しの不調など廃盤になったアイホンに違和感を覚えた際には、その不具合を放置せず、症状が悪化する前に早めにインターホンの取り扱い業者へ調査や修理を依頼しましょう。

◎古いアイホンを使い続けリスク
たとえ故障を起こしていなくても、廃盤になった古いアイホンを使い続けることにはデメリットがあります。まず廃盤になった古いアイホンは経年によって故障の発生率が上がります。訪問先のアイホンで呼び出しボタンを押したときに、訪問者には呼び出し音が聞こえているのに室内では鳴っていないなど、呼び出しができなくなることがあります。これは、アイホンの経年による配線の劣化や室内のインターホン親機のスピーカー不良などが考えられます。在宅しているのに訪問者の呼び出しに気がつかなければ、居留守を使っているのではなどと思われることがあり、また宅配便の再配達の依頼をしなければならないなどの手間が生じます。廃盤になったアイホンを使い続けると、経年による劣化で「通話中に雑音が入る」「音声が途切れる」など通話の品質低下も引き起こします。これにはインターホン設備の配線の劣化によるものやアイホン本体の不具合の可能性もありますが、雑音の場合は室内のインターホン親機の近くに設置してあるテレビやWi-Fiルーターなどの電波によって影響を受けていることもあるので、思い当たる点があればまずは機器の移動をしてみましょう。マンションなどオートロックが設定されている集合住宅の場合は、1階のエントランスにある集合玄関機から訪問先の部屋を呼び出してオートロックを解錠してもらわなければ建物のなかに入れません。しかし廃盤になったアイホンは経年劣化のためオートロックの解錠ができない症状が発生することがあります。これは室内のインターホン親機の不具合やエントランス集合玄関機の故障、管理室親機の設備異常などが原因です。室内からオートロックが解錠できなければ、来客の際に1階までわざわざ降りて行って対応をしなければならないため非常に不便です。廃盤になったアイホンは機能面以外に防犯面でも不安があります。すでに廃盤になったアイホンには、モニターがなく通話してみなければ相手が誰なのかがわからない製品が多くあります。アイホンにモニターがないため誰が訪ねてきたのかがわからないままに応答してみると、しつこい勧誘や訪問販売だったなどという経験がある方もいるのではないでしょうか。廃盤になったアイホンは、直接扉を開いて対面することはないもののモニターで訪問者の確認ができず応答前に相手の確認ができないので、セキュリティ性が高いとはいえません。とくに高齢者や女性のひとり暮らしなどの場合は、訪問してきた相手がわからないままインターホンで応答することに不安を覚える方も少なくないでしょう。廃盤になったアイホンはインターホン工業会が定める更新の目安である15年や、修理用部品の保有期間である7年を経過していることがほとんどなので、予期せぬうちに突然に壊れてしまうリスクがあります。廃盤になったアイホンをリニューアルするには、費用も時間も大きくかかるので、計画や予算管理をしていない状態では簡単に更新することができません。よって、廃盤になったアイホンが不具合を起こして使えなくなってしまうと、リニューアルまでの長い期間、入居者は不便な生活を強いられてしまうことになります。廃盤になったアイホンのリニューアルは、時間的にも資金的にも余裕をもった早めの計画を立てることが大切です。

◎廃盤になったら最新のアイホンにリニューアルを
廃盤になったアイホンは経年によってさまざまな不具合を起こしやすく防犯性も低いため、廃盤を機会に防犯性や機能性に優れた最新のアイホンに交換する方が増えています。最新のアイホンは、ほとんどの製品にモニターがついており、相手の顔が見えるためセキュリティ強化に役立ちます。モニターがついていない通話機能しか持たないアイホンであれば、相手が誰だかわからないまま応答しなければなりません。しかしモニターがあれば応答前に相手の顔を確認して見知らぬ相手や不審者には「応答しない」という選択ができます。空き巣などの犯罪者が、狙った家が不在かどうか確かめる方法のトップは「インターホンを鳴らす」ことですが、モニター付きのアイホンの玄関子機にはカメラが搭載されているので、空き巣などの犯罪者を敬遠させる効果があります。また最新のアイホンには防犯機能のひとつとして、不在中の訪問者を自動録画する機能があります。留守中に訪れた人物がいた場合に、何時ごろに誰が来たのかが帰宅してからでも確認できるので安心です。また訪問者が呼び出しボタンを押さなくても、外で物音がしたなどのように不審な気配がしたときに、アイホンのモニターを使って外の様子を確認できます。さらに最新のアイホンはモニターや録画などによる防犯面以外にも、便利な機能を持つ製品が多くあります。たとえば新しいアイホンにはスマートフォンと連動した便利機能を持つ製品があり、専用のアプリをインストールすればスマートフォンでいつでも来客対応が可能です。外出先でも訪問者があった際に相手の映像確認や直接通話が可能なうえ、マンションなど集合住宅のオートロックの解錠もできるので、ひとまず入館してもらいエントランスホールの応接で帰宅を待ってもらうなどの対応も可能です。外出中のスマートフォンで来客に気づかなかった場合でも、後からスマートフォンの画面で録画された映像や音声を確認できるので来客を気にすることなく外出ができます。また室内のインターホン親機とスマートフォンで連絡を取り合うこともできるので、学校から帰ってきた子どもが「いま帰ったよ」などと母親に連絡をしたり、外出先からお部屋のアイホンを呼び出して「●時頃には帰るからね」と子どもに話しかけたりすることができます。このような機能を使うと外出することが多い保護者や子どもだけで留守番をさせているご家庭でも、いつでも子どもを見守ることができるので安心です。

◎廃盤になったアイホンをリニューアルする手順
アイホン設備には大きく分けてふたつのシステム構成があります。ひとつは「集合住宅システム」でオートロック機能があるもの、もうひとつは「住戸完結システム」でオートロック機能がないものです。住戸完結システムは、集合住宅でもオートロック機能がなく他の設備とも連動せずに独立して機能しているものや一戸建て住宅に用いられています。よって廃盤になったアイホンからも最新のものに更新するのは単体で可能で、リニューアルにかかる手間も大きくかかることがありません。一方でオートロックがあるマンションなどの集合住宅システムでは、エントランスの集合玄関機や各住戸のインターホン親機、管理室親機が連動しています。また消防用設備や宅配ボックスシステム、非常警報設備など他の機器とも関連があり、マンション全体がひとつのインターホンシステムとなっているため、全体的な更新をしなければなりません。集合住宅システムのアイホンのリニューアルには、詳細な調査やしっかりとした計画などの準備が必要です。まず廃盤になったアイホンのリニューアルを検討する時期にきたら、工事を依頼するインターホン業者による既存設備の調査をおこない、リニューアルが可能な製品の中から、必要とする機能や予算に応じて、どのアイホンに更新するかの候補を選定します。分譲マンションの場合は提案された見積もり金額や仕様を、まずは理事会で検討して更新するアイホンを決定します。マンション全体のインターホンリニューアルにかかる費用は、戸数×10万円〜が相場といわれているため、マンションの規模によっては更新に数百万円を要します。マンションの管理規約にもよりますが、インターホンのリニューアルは修繕積立金会計から支出することになる場合がほとんどなので理事会だけの判断で契約はできません。そのため通常総会を実施するタイミングまたは臨時総会を開催して、区分所有者に承認をとる必要があります。このときインターホン業者による入居者への説明や質疑応答、実機を用いたデモンストレーションなどをおこないます。総会でアイホンのリニューアル工事が承認されたら、工事計画に入ります。一般的にインターホンのリニューアル工事は、集合玄関機や管理室親機、配線工事などの共用部分を先におこない、その後から各住戸のインターホン親機や玄関子機を取り替えます。専有部の工事は入居者が在宅して立ち会う必要があるため、事前に日程調整をしっかりと行い、すべての部屋が確実に施工できるような調整が必要です。ある程度の施工日程を決めた後に、各戸からのアンケートによって、確認した希望日や都合が悪い日を考慮して実際のスケジュールを調整し、最終的に決定した工事日程の全戸配布および掲示をします。リニューアル工事の全工程が終了した時点でインターホン業者による試験と調整が行われ、問題がなければ工事は完了です。インターホンのリニューアル後は、利用者へ使い方に関してのサポートや不具合対応などが発生することもあるので、アフターフォローの充実したインターホン業者に依頼をしましょう。
◎まとめ
廃盤になったアイホンの修理や古いアイホンを使い続けることのデメリット、最新のアイホンにリニューアルする手順などについて解説しました。廃盤になったアイホンは故障が起こりやすく、急に使えなくなったときには不便を強いられ防犯性が劣る恐れがあります。突然に故障するリスクに備えるためにも、廃盤になったアイホンは早めに更新の計画を立てることがおすすめです。廃盤になったアイホンから最新のアイホンへの更新をご検討されている方は、相談だけでも無料なので、ぜひカギ舎までお問い合わせください。

