静脈認証や指紋認証を用いた入退室管理システムのセキュリティ対策
企業では、ビルや部屋の出入り口において入退室管理システムが活用されていますが、人の出入りを管理する目的だけでなく、不正侵入を防止する役割も担っています。入退室管理システムの認証方法に、手のひら静脈認証や指紋認証などの生体認証を用いた入退室管理システムを導入すると、ハイレベルなセキュリティ管理が行えます。この記事では、入退室管理システムに生体認証を活用する重要性や、静脈認証と指紋認証を搭載したFE-600LEの特徴などをご紹介します。
◎入退室管理システムにおける生体認証の重要性
企業などで導入されている入退室管理システムとは、建物や部屋などの人の出入りを管理や記録をするほか、不正な入退室を防止するシステムのことをいいます。入退室管理システムでは、以前はカード認証や暗証番号認証などが主流でしたが、なりすましやカード貸し借りによる不正入室が課題になっています。そのため、近年は防犯性が高い指紋認証や顔認証などの認証方法を用いた入退室管理が増えています。生体認証とは、個人で異なる身体的特徴や行動的特徴を用いて本人を確認する認証技術です。入退室管理システムでは、主に顔認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、音声認証などの生体認証が活用されています。生体認証技術の導入は、正確な入退室管理と出入り口のセキュリティ対策を強化します。生体認証を用いた入退室管理は、不正侵入を防止します。生体認証は本人が現地にいないと認証することができないため、なりすましによる不正認証が困難なことから、入退室管理システムの堅牢なセキュリティ対策が行える認証技術です。また、入退室管理に活用されている生体認証は、紛失や盗難されるリスクが少ない認証方法です。入退室管理システムにカード認証を用いている場合、カードの忘れや紛失により、悪質な第三者から不正利用される可能性があります。一方で、生体認証は個人の異なる特徴を認証に活用するため、紛失や盗難が非常に難しいことから、部外者や不審者による不正侵入を防ぎます。生体認証技術を用いた入退室管理は利便性が優れています。ICカードやICタブを入退室管理システムで利用している場合、常にカードを持ち歩く必要がありますが、生体認証は身体の特徴を認証方法に利用することから、物理的なカードや鍵を持ち歩く必要がありません。また、顔認証や手のひら静脈認証などは非接触の認証が可能なため、衛生的な入退室管理が行えることもあり、生体認証技術を用いた入退室管理システムは、安全性と利便性を兼ね備えた認証方法といえます。
◎入退室管理システムに用いる静脈認証の特徴
ビルや部屋などの入退室管理システムに活用されている生体認証のなかでも、静脈認証は高精度の認証技術を用いて行う認証方法です。静脈認証は、手のひらや指の皮膚下にある静脈に赤外線センサーを照射し、個人の静脈パターンを読み取り認証に活用するシステムです。静脈認証に活用する静脈は、近赤外線を充てると血管中のヘモグロビンが黒く映るため、その特性を利用して本人の確認をします。入退室管理においては、指の静脈を使用した指静脈認証と、手のひらの静脈を用いて認証を行う手のひら静脈認証が運用されています。静脈認証は、事前に個人の静脈パターンを登録します。入室する際は事前に登録した静脈パターンと、現地にいる本人の静脈パターンが一致すると許可され、入退室管理されている扉を解除する仕組みです。静脈認証の撮影する方法には、透過式と反射式の2種類が存在します。静脈認証の透過式は、赤外線センサーと撮影カメラで、手を挟んだ状態で撮影し、主に指静脈認証に活用されている撮影方法です。一方、静脈認証の反射式は、赤外線センサーとカメラを同じ方向にセットし、手に赤外線センサーを照射し、反射した光源を静脈パターンとして検知しそれを撮影します。反射式は、広い面で情報が取得できることから、手のひら静脈認証などに活用されています。静脈認証技術を用いた入退室管理は、安全性が高い認証方法です。指紋認証は認証リーダーに指紋が残留するため、読み取られる可能性がないとはいえません。一方で、静脈認証は、体内にある静脈を利用して認証を行うため、偽造や複製が困難なことから、なりすましによる不正な入室を防止し、高度なセキュリティ対策が実現するシステムです。入退室管理に採用されている静脈認証は、皮膚の状態の変化や環境の変化によって認証が左右されることがありません。そのため、静脈認証は間違えて認証する誤認率が極めて低く厳正なセキュリティ管理が行える認証方法といえます。また、入退室管理システムの手のひら静脈認証は、非接触で認証が行える点がメリットです。手のひら静脈認証を利用する際、利用者は認証リーダーに触れずに認証が行えるため、衛生的な認証方法で感染症対策にも貢献します。
◎入退室管理システムに用いる指紋認証の特徴
身近な生体認証として入退室管理システムなどに活用されている指紋認証は、指の指紋を活用して個人を識別する認証方法です。指紋認証は、認証センサーに指を置くと、指紋の形状を読み取り、予め登録した指紋認証と本人の指紋を照らし合わせて照合、認証します。指紋認証は、ほかの生体認証に比べると歴史が長く、認証技術の認証精度や認証方法が進化している認証システムといえます。入退室管理で採用されている指紋認証は、静電容量方式、光学方式、超音波方式の3つの方式があります。指紋認証の静電容量方式は、電子の移動を利用して指紋認証を行う方式です。指紋認証で活用されている静電容量方式は、指紋の浮き出る隆線部分が、認証センサーに触れると、その部分に電極が反応するため、その性質を利用してデータを検出します。センサーの感度がよいことが特徴ですが、濡れた手や手の汚れがあると正しく反応しない場合があります。指紋認証の光学方式は、指紋を二次元画面に捉えて指紋認証する方式で、指の指紋に光源を充てると指紋の凹凸部分によって光源の反射具合が異なり、その屈折具合で認証します。指紋認証における光学方式は、超音波方式より、導入コストが低く高精度で認証が行えることから、企業や施設などの入退室管理システムに多く利用されている指紋認証システムです。指紋認証の超音波方式は、3D認証で指の指紋を立体的に捉えて認証します。超音波を活用して指紋認証を行うため、認証速度が速く、広域で認証が行える最新式の認証方式です。入退室管理で用いる指紋認証は、経年変化による影響を受けにくい点が特徴です。入退室管理システムにおいて顔認証を活用している場合、歳を重ねると顔が変化することから、認証精度に影響を受けることがあります。一方で、指紋認証で活用されている指の指紋は、大きな外傷などがない限り一生変化しないことから、長期間運用が可能な認証システムです。指紋認証は、導入コストを削減することが可能です。指紋認証は、カメラが必要な顔認証と比較すると、指紋を認識するセンサーさえあれば、認証ができ小型化することができるため、比較的低コストで導入できる認証方法です。
◎入退室管理システム導入時のセキュリティ対策のポイント
オフィスや施設などで導入されている入退室管理システムは、ビルなどの人の出入りを管理する目的のほか、セキュリティ対策にも役立っています。企業などでは、資産や機密情報や個人情報などを有していますが、さまざまな人が出入りするため、出入り口に入退室管理システムが導入されています。エントランスや部屋などの出入り口によってセキュリティの重要度が異なるため、セキュリティレベルに応じた入退室管理のセキュリティ対策が必要です。オフィスでは、エントランス、執務室、会議室、サーバー室、倉庫などさまざまなゾーンがありますが、来訪者も入室するエリアや機密情報を保管しているエリアなど、各エリアのセキュリティレベルの強度によって入室者のアクセス制御を設けることができます。また、入退室管理システムに搭載されているアンチパスバック機能は、共連れを防止するセキュリティ機能です。共連れとは、入退室管理において入室許可されている人物が入室する際に、開いた扉から侵入する不正行為をいいます。アンチパスバック機能は、入退室管理システムにおいて、入室記録がない人の退室を拒否する機能で、共連れなどにより不正侵入した場合、侵入者を室内で足止めさせる仕組みです。入退室管理システムの二重認証機能は、ひとつの扉に対して異なる認証方法を組み合わせて二重にロックする機能です。たとえば、機密情報や個人情報を保有しているサーバー室において、指紋認証と静脈認証の組み合わせや、静脈認証とカード認証の組み合わせのように、認証方法が異なる方式を利用することによって、入退室管理システムのセキュリティの強度を高めます。入退室管理システムはログ機能で履歴を管理します。ログ機能は、入退室管理システムにおいて、いつ、だれが、入退室したのかを記録し履歴を残す機能です。万が一トラブルが発生した場合、入退室管理システムのログ機能から、入退室者を確認することができるため不正アクセスを防止し、内部不正の抑止の効果もあります。
◎静脈認証と指紋認証を搭載した静脈+顔+指紋+カード+暗証番号リーダーFE-600LE
KJ TECH japanのFE-600LEは、セキュリティ性が高く複数の生体認証を搭載した、入退室管理システム対応の認証リーダーです。FE-600LEの認証機能には、静脈認証、顔認証、指紋認証、カード認証、暗証番号認証を搭載しています。3種類の生体認証を用いていることから、入退室管理において高水準のセキュリティ対策の構築が可能です。FE-600LEの静脈認証は、手のひらを活用して認証する手のひら静脈認証を採用しています。静脈認証を行うには、事前に手のひら静脈パターンの登録が必要です。入退室管理システムで認証する際は、FE-600LEのカメラレンズ部分から15cm〜40cm以内に手のひらをかざすだけで、最速の0.5秒未満で認証します。顔認証の認識モードには、シングルモードのほか、複数同時認証が可能なマルチモードを採用しており、社員数が多い企業など出退勤の混雑時に活用すると最適です。また、なりすましを防止するライブ検出機能を搭載し、偽造された写真や動画を使用した場合に拒否する機能です。入退室管理システムに対応したFE-600LEの指紋認証は、指紋センサーに半導体センサーを採用しており、認証も指紋センサー部分に指を置くだけで、スピーディーに指紋認証が完了します。FE-600LEのカメラレンズは、IR、RGBデュアルレンズカメラを採用しているため、高画質の撮影を実現します。入退室管理システムで活用できるFE-600LEカード認証は、MIFAREやFeliCaカードを始め、さまざまなICカードを活用できる認証リーダーです。5インチサイズの IPS タッチスクリーンを採用したFE-600LEのモニターでは、数字の組み合わせで認証を行う暗証番号認証も、モニター上でスムーズに操作が行えます。複数の認証方法を搭載したFE-600LEの登録件数は、静脈認証、顔認証、カード認証は各10,000件、指紋認証は5,000件を登録することが可能です。また、FE-600LEのイベントログ機能では200,000件の履歴を記録することができるため、セキュリティ対策の監査機能として貢献します。認証リーダーFE-600LEの本体は、226mm×108mm×42mmサイズのIP65クラスの防塵防水を搭載していることから、屋外などの軒下などの設置にも適しています。
◎入退室管理の高度なセキュリティ対策を実現する静脈+顔+指紋+カード+暗証番号リーダーFE-600LEの活用シーン
入退室管理システムに、高精度認証技術を活用した手のひら静脈認証や、利便性が高い指紋認証を採用したFE-600LEを導入すると、レベルの高いセキュリティ管理が実現します。
○オフィスのサーバー室に静脈+顔+指紋+カード+暗証番号リーダーFE-600LEを導入
オフィスの機密情報を保管しているサーバー室では、ほかの部屋よりセキュリティレベルを上げることが求められます。認証リーダーFE-600LEは、高性能認証技術を活用した手のひら静脈認証や指紋認証で、なりすましによる不正侵入を防止することから、サーバー室の入退室管理システムに最適です。FE-600LEのアクセス制御機能を使用して、サーバー室に入室できる管理者や技術者に権限を付与すると、関係者以外の入室を制限することで入退室管理システムのセキュリティ性の強化を図れます。
○工場の出入り口に静脈+顔+指紋+カード+暗証番号リーダーFE-600LEを導入
工場の入退室管理システムは、全ての従業員の出入りできるエリアや研究開発室などの関係者のみが入室できるエリアなどに区分されています。高度なセキュリティが求められるエリアにおいて、FE-600LEの二重認証機能で、手のひら静脈認証や指紋認証を活用すると、工場内の安全性や不正侵入を防ぐセキュリティ対策を実施します。入退室管理対応のFE-600LEは防塵防水を備えているため、工場エリアの出入り口のひさしのある軒下などの準屋外に設置することも可能です。
◎まとめ
企業などでは、情報漏洩対策の観点から、物理的な対策として入退室管理システムのセキュリティ対策の向上が求められています。KJ TECH japanの静脈+顔+指紋+カード+暗証番号リーダーFE-600LEは、入退室管理システムにおいて静脈認証、顔認証、指紋認証の3種類の生体認証を搭載し、利便性と強固なセキュリティ対策の実施が行える認証リーダーです。入退室管理システムのセキュリティ対策に、高精度認証の手のひら静脈認証、指紋認証などの認証リーダーをご検討の方は、ぜひ、カギ舎までお問い合わせください。