徘徊対策
認知症の家族を介護されている方はたくさんおられると思います。
認知症介護で困っていることで多いものは、「徘徊」です。
ふとした時には、外に出てしまわれ、どこに行ったのか分からなくなり、警察に捜索願を出して見つけてもらったという家族も少なくないと思います。
しかし「徘徊」を止めることが目的ではなく、安心して自宅で生活をしてもらうことが目的だということを忘れてはいけません。
その目的を間違えてしまうと、逆に安心できない状況となることもあります。
ここでは、認知症による徘徊対策についてお伝えしていきたいと思います。徘徊対策といっても、無理にその行動を止めるものではなく、ご本人の意思や行動に合わせて対策を行うことが必要だと思います。
本人も家族も安心して過ごすことができることを中心にお伝えしていきたいと思います。
また後半には徘徊対策として便利な鍵も紹介していきたいと思いますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
認知症の人が増え続けている!徘徊対策は必要不可欠!?
内閣府が発表している「平成28年版高齢社会白書(概要版)」のデータによりますと、平成24(2012)年には、認知症を患っている人数は、全国で462万人となっており、実に65歳以上の高齢者の7人に1人という計算になっています。
さらにこの数字は今後も増え続けていく予定で、平成37(2025)年には、約700万人となり、65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。
このような数字を見ても認知症というものが他人ごとではなくなってきていることがお分かり頂けるのではないかと思います。実際に、認知症の家族を介護されている方も相当多くおられるのではないかと思います。
近年では、認知症高齢者を含め、家族の介護をするために介護離職する人が多くなっており、社会問題にもなっています。
参考資料
内閣府 平成28年版高齢社会白書(概要版)
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html
なぜ徘徊するのか~認知症の症状を知っておこう!
徘徊対策をお伝えする前に、認知症の症状の中で、なぜ徘徊してしまうのかお伝えしていきたいと思います。
この症状を理解することで、きっと今後の介護のあり方や、徘徊対策についても見えてくるものではないかと思うからです。
認知症とひとことでいっても、さまざまな種類の認知症があることをご存知でしょうか。
認知症の中には「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」などさまざまなものがあり、その症状もさまざまです。代表的な認知症をいくつか紹介したいと思います。
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アルツハイマー型認知症
認知症の中でも最も多いものに「アルツハイマー型認知症」があります。
脳にある「海馬」の部分が委縮していく認知症で、アミロイドβと呼ばれる特殊なたんぱく質が蓄積することによって起こると考えられています。もの忘れから始まり、徐々にできないことが増えていきます。 -
脳血管性認知症
次に多いものが「脳血管性認知症」になります。
脳梗塞や脳出血など、脳の血管による病気によって引き起こされる認知症となっています。
脳血管の病気によって、脳の一部分の細胞が壊れてしまうことによって、認知症の症状が起こります。
そのため正常な部分とダメージを受けた部分が出現する「まだら」な認知症が特徴です。 -
レビー小体型認知症
近年多い認知症に「レビー小体型認知症」があります。
この認知症の特徴は、もの忘れよりもないものが見えるという「幻視」が多くなります。
自分が見えている子供に対して話しかけるようなことが起きます。また同時に筋肉のこわばりや手足の震えなどの症状も多くの人に見られます。 -
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症とは、脳の前頭葉の部分、側頭葉の部分が委縮してくることによって引き起こされる認知症です。もともとの人格が変わってしまったり、異常な行動が特徴的です。
徘徊のメカニズムについて
認知症について、よく分かっていなかった時代では、認知症になると徘徊をするのだと理解されていました。
しかし認知症が理解されだすと、認知症の症状が進む中で、自分自身の不安を解消するために徘徊されていることが分かってきたのです。
みなさんも少し考えてみましょう。
もしもいま、自分自身がどこにいるのか、隣にいる人が誰なのか分からなくなったとします。そんなときにはどうなってしまうでしょう。
とても不安になると思います。
不安になるから、自分の安心できる場所を探しに行こうとします。
これが認知症による徘徊のメカニズムです。
そうです、徘徊は「自分探しの旅」と言い換えてもいいでしょう。自分が安心できる場所はどこにあるのだろうと歩き続けることが徘徊なのです。
そのために、無理にその行動を止めてしまうことは、さらに不安を増大させてしまうことに繋がる可能性があると理解しておかねばなりません。
徘徊対策としてまず最初に始めてほしいこと
みなさんにとって、安心できる場所はどこでしょうか。
やはり「自宅」だと思います。
認知症を患っている人は、新しい記憶からどんどん失われていくといわれます。
もともと住んでいた家を離れて、家族の住む家に移り住んでいる認知症の方でしたら、いま住んでいる家を「自宅」と認識することができないかもしれません。
時間は必要かもしれませんが、認知症の方でも記憶することはできます。
少しずつ安心できるように声をかけ続けてください。かけ続けていくことで、それが習慣化し、認知症の方でも記憶することができるのです。
いま住んでいる家が「自宅」だということを、優しく丁寧に声をかけ続けることできっとあなたの想いが届くときがきます。
徘徊対策として、ます最初に取り組んでほしいことは、家族からの優しい「声かけ」です。
みなさんも家族からの声かけが一番信用でき、一番安心できるのではないでしょうか。
この記事の後半では、徘徊対策に役に立つ鍵をお伝えしますが、まずは認知症の方が安心して生活をすることが基本になるのだと理解しておきましょう。
また同時に介護の専門家であるケアマネジャーさんに相談をしながら、ご自宅での対策をしていかれればいいかと思います。
徘徊対策で鍵をしてしまうと逆効果のときも
認知症を患って、徘徊が始まってしまうと、四六時中、目が離せない状態になってしまうことがあります。
中には、徘徊によって交通事故にあってしまったり、そのまま行方不明となってしまうことがあります。
警察庁が発表しているデータによりますと、平成28年において認知症やその疑いで行方不明となってしまった方は、全国で15000人以上もおられる状況となっています。
そのような状況を考えて、自宅の内外に認知症の方が解錠できない鍵を増設や取り替えされる方がおられます。
常に監視をしていなくても、外に出ることができないと安心することができるためです。
しかし、少し考えてみてください。
認知症による徘徊は、自分自身の不安を解消するための行為だといいました。
そこで鍵をしてしまうことで、家族は安心できるかもしれませんが、本人にとってはいつまでも不安を解消することができずにいるわけです。
不安がどんどん蓄積してくるとどうなるでしょう。
いずれは爆発してしまうかもしれません。
認知症の症状がさらに酷くなるかもしれませんし、無理に外出しようとして怪我をしてしまうこともあるかもしれません。
外出することを止めてしまうことは、場合によっては逆効果となることもありますから、これからご提案する徘徊対策の鍵をどのように活用していくかについて、しっかりと考えておくことが必要です。
私たちがご提案する徘徊対策グッズを、ご家族やケアマネジャーなど介護福祉関係者と共に、その活用方法について考えてみることがいいと思います。
参考資料
警察庁生活安全局生活安全企画課 平成28年における行方不明者の状況
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/H28yukuehumeisya.pdf
徘徊をする人の行動を見てみよう
徘徊に悩んでいるご家族は多いと思いますが、まずは徘徊する人の行動に目を向けて頂きたいと思います。
認知症の行動といっても、人によってもさまざまです。
その行動に合わせた対策を行うことが一番効果的であるといえるからです。
その行動記録をとることから始めてみましょう。
すると、行動のパターンが見えてくると思います。
どの時間に多いのか、どこから外出することが多いのか、どこに行くことが多いのか、さまざまなことが理解できるようになります。
逆に穏やかに自宅で過ごされている時間も見えてくるかと思います。
どの時間にしっかりと休まれているか、どの時間にテレビを見ているか、どの時間に眠っておられるか、そのようなことからも行動パターンが見えてくると思います。
そのような行動を理解することで、本当にその人にとって必要な徘徊対策が見えてくるのです。
本人が徘徊する時間に合わせて、家族が一緒に散歩してみると、とても安心して外出することができるかもしれません。
一緒に外出して戻ってきても、その記憶は忘れてしまうかもしれません。
でも少し疲れることでぐっすりと休まれるようになるかもしれません。
うまく介護サービスを利用することもいいでしょう。
ご本人の行動に合わせて、ディサービスやヘルパーを活用することができるでしょう。
このような行動記録の分析は、介護の専門家であるケアマネジャーさんの意見を伺うことがいいでしょう。
その分析結果をもとにして、実際に徘徊によって事故などが起きないように対策を講じることが一番理想的であるといえます。
その上で鍵など認知症対策グッズを活用していくことをおススメします。
徘徊対策のための基本的な姿勢と行動
認知症による徘徊では、不安が根底にあるとお伝えしました。
そのために、まずは無理強いをするようなことをせずに、不安を取り除くような取り組みを行うことをおススメいたします。
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絶対に怒ってはいけません
徘徊しようとする認知症の方に対して、強く怒ってしまうご家族がおられます。
確かに「外出したら事故など危ないから」「帰ってこれなくなるとたいへんだから」という理由はよく分かります。
しかし、怒ってしまうと本人にとっては、なぜ自分自身が怒られているのか、理解ができません。理解ができないことが起きると、さらに不安感が増してしまい、徘徊がさらに多くなってしまうことがあるのです。
また怒ってしまうことで、その感情だけが強くインパクトとなり残ってしまうことがあります。
そのため、そのご家族がいる場では、不安感が強くなったり、落ち着きがなくなったりしてしまうことがあります。怒ってしまうことは、逆効果であることを認識しておきましょう。
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うまく気をそらすように
認知症の人にとっては、同時に複数の物事を考えることが難しくなります。
それを応用して、違う話をもちかけて、徘徊しようとする気持ちから気をそらしてしまいます。例えば、
「いまからやってほしいことがあるんだけど手伝ってもらえる?」
「もうすぐご飯ができるから、こっちに来てね。」
うまく話がかみ合えば、その話に乗ってきてもらえるはずです。これは、介護職員なども使っている認知症の人に対するコミュニケーション技術です。
不安感が高まっている方に対して、うまく気をそらすことができますので効果的なのです。
ぜひご家庭でも実践してみてください。 -
日中は活動してもらう
認知症の人に多くみられることは、昼夜逆転と呼ばれる現象で、日中は眠っておられ、夜間に活動されるというものです。
昼夜逆転現象になってしまうと、徘徊対策として鍵などをしているとしても、夜間に活動されてはご家族もたいへんかと思います。
日中にはできる限り活動してもらい、夜間はしっかりと眠ってもらうようにしましょう。
日中は一緒に散歩に出かけたり、ディサービスなど介護サービスをうまく活用するようにしましょう。 -
夜間眠れない時は医師の指示も
どうしても眠れない時には、主治医に相談してみましょう。睡眠導入剤の検討などして頂けるかもしれません。
睡眠導入剤について、不安を感じるご家族もおられるかもしれませんが、医師の指示通りに服用すればまったく問題はありません。
最初はゆるいものから処方されますから、いきなり効きすぎるということもありません。用法や用量を守っていれば、体に薬が蓄積されるようなこともありません。不安なことがあれば、すべて主治医に相談すると良いでしょう。
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介護保険サービスを絶対に頼る
介護保険サービスはいまや多種多様のサービスがあり、とても便利に活用できるようになっています。
いきなり施設に入所させられるようなことはありませんから、安心して活用して頂きたいと思います。ご自宅でも便利な介護保険サービスがあります。
先ほどもご紹介しましたディサービスであれば、施設に通って、リハビリを行うなど活動的に過ごすことができます。入浴したり、食事をしたりすることができますから、家族の休息にもなります。
ほかにもいろいろなニーズに合わせて、さまざまなサービスがありますし、利用料も所得に応じた負担割合で支払うことができますので安心です。
介護保険サービスは、ケアマネジャーが担当として介護サービスの調整をすべて行ってもらえます。
徘徊対策についても、相談に乗ってもらえますから、介護サービスの利用と同時に相談してみるといいでしょう。
具体的な徘徊対策ですぐにできること
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地域包括支援センターなど介護福祉サービスの協力
もしも介護保険サービスを活用していないとしても、近隣の介護福祉サービスには協力してもらうと良いでしょう。
中でも「地域包括支援センター」には、必ず相談をしておくべきです。地域包括支援センターとは、みなさんの住んでいる地域にも必ずある、高齢者福祉を相談することができる総合窓口になっています。
主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師などが配置されています。介護保険サービスの利用だけではなく、地域住民やその家族の悩みを相談することができますし、徘徊などの困りごとにおいてもすぐに対応してもらうこともできます。
ほかの関係機関とも連携を図ってくれますので、活用すると良いでしょう。
お住まいの地域にある地域包括支援センターの場所や連絡先は必ず確認しておきましょう。
また事前に相談しておくこともできますから、一度連絡して事情を話しておくと気にかけておいてくれたり、必要なサービスなどに繋げてくれるなど助言をもらうことができます。 -
警察の協力
もしも家族が目を話している隙に外へ出てしまわれてしまうようなことがあれば、一番頼りになるのは警察ではないでしょうか。
事前に相談していくこともいいと思います。何かアドバイスをもらえるかもしれません。実際に警察にお願いして探してもらわねばならないような状況も想定して、本人の写真を用意しておくといいでしょう。
全身の写真、顔写真があればベストです。
また身長や髪形、年齢など特徴を記した書面を用意しておくこともいいと思います。
このようなものが事前に準備されていれば、迅速に対処することができます。 -
近隣の協力
近隣の方にも話をしておくといいでしょう。
近所の顔見知りの方、自治会、民生委員、商店などに事情を伝えておくと、何かあった時には連絡してもらえます。
最近は認知症サポーターなど、一般の方でも認知症に対する知識を持った方も増えていますので、気軽に引き受けてくださるでしょう。中には、日中などに様子を伺ったりしてくれる方もでてくるかもしれません。
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本人と分かる目印を付けておく
普段来ている服や財布などの持ち物、靴などに名前や連絡先を付けておくとすぐに本人であると確認することができます。
ただし名札を付けるような場合は、本人が嫌がられて外されることもありますので、本人に気付かれないような場所に付けておくことがいいでしょう。
また近隣の方や警察に依頼するような場合、本人と分かる連絡先が付けてある場所などを書面などで伝えておきましょう。
本人確認が容易にできます。 -
GPS端末の活用
GPS端末とは、人工衛星を利用した、本人の居場所を確認するためのシステムです。
本人がこのGPS端末を持っていれば、目を離したすきに外に出られ、居場所が分からなくなったとしても、正確な場所がすぐに分かります。介護保険サービスで活用することはできませんが、介護用品を扱う会社によっては、独自にレンタルをしているところもあります。
月額2000円程度ですので活用するといいでしょう。また家電量販店や通信販売などでもさまざまなものが販売されています。
みなさんのニーズあった商品を購入すると良いでしょう。このGPS端末は当然ながら所持していなければ効果を発揮することはできません。
認知症の方に持って出かけるように伝えることは難しく、ペンダント型などでは自分で外してしまわれる可能性があります。最近では、靴にGPS端末を収納できるスペースがあるものも販売されていますので、それらを活用すると良いでしょう。
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徘徊高齢者発見システムの活用
多くの行政では、徘徊する高齢者を守るために、GPS端末を高齢者に所持してもらい、徘徊した時には現在地を家族に知らせるというサービスを行っているところがあります。
必要に応じて、事業者が高齢者のいる現場まで急行して、高齢者の捜索まで行ってくれます。
このサービスは自治体が独自に行っているサービスですので、お住まいの地域に同じようなサービスがあるか確認すればいいでしょう。
川崎市が行っているサービスでは、月額2000円で受けることが可能です。
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認知症老人徘徊感知器の活用
介護保険を活用した徘徊対策機器に「認知症老人徘徊感知器」と呼ばれるものがあります。
これは、本人が普段活用しているベッドを離れた時に感知して知らせてくれるものです。認知症老人徘徊感知器には、大きく分けてセンサータイプとマットタイプがあります。
センサータイプでは、事前に設置しておくことで、本人がそのセンサーの前を通過すると感知して知らせてくれます。
マットタイプは、そのマットを踏むと感知して知らせてくれるものです。その認知症老人徘徊感知器によって金額も異なりますが、おおむね月額1000円まででレンタルすることができます。
使用に関してはケアマネジャーに相談すればいいでしょう。 -
民間の高齢者見守りサービス
民間のセキュリティ会社では、高齢者の見守りサービスを実施しているところがあります。
どうしても近所に頼れる人がいなかったり、家族が仕事などですぐに駆けつけることができなかったり、介護保険や行政のサービスでは限界があったりという理由で活用される方が増えています。
民間のサービスだけに対応がよく、24時間365日いつでもサービスを受けることができます。
徘徊だけではなく、火災が発生した際や、ガス漏れ、泥棒などが自宅に侵入した際などにおいてもサービスを受けることができます。
ほかにも急な体調不良や安否が確認できないような場合においても駆けつけて対処してもらうことができます。
徘徊中に意識を失って倒れるようなことがあったとしても、救急通報ができるシステムもあります。月額3000円程度から活用することができますので、不安解消のために利用してみてはいかがでしょう。
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無線通信機を内蔵した電気ポットの活用
徘徊感知とは少し違うのですが、無線通信機を内蔵した電気ポットが販売されています。
これは離れて暮らす家族のために、電気ポットの使用状況を確認できるというシステムです。普段の生活の中では、電気ポットを活用することは日常的にあると思います。
毎日、水をポットに入れることから一日が始まる方も少なくないでしょう。そんな普段の様子をメールなどで確認することができます。
安否確認のために電話を毎日入れるのは大変なご家族であれば、そっとこのポットをプレゼントすると良いでしょう。
無料体験ができるメーカもありますから、一度使用してみることもいいと思います。
徘徊対策でおススメできる玄関や勝手口用の鍵
介護保険や行政のサービスを活用したり、近所の人たちにお願したりするなどしたうえで、やはりイザという時のために自宅の設備においても徘徊対策をしておきたいというご家族もおられることでしょう。
ここでは、徘徊対策としておススメできる鍵をご紹介していきたいと思います。
もちろんセキュリティ面においても安心できる鍵ばかりです。
ご予算やご希望があれば、ご相談ください。
みなさまのニーズに合わせた鍵を提案させて頂きます!
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セーフティーサムターン
日本カバ株式会社が販売しているセーフティーサムターンは、認知症の高齢者が知らない間に出ていくことがないようにするために適した鍵になっています。
見た目は普通の鍵なのですが、外側から鍵をすると、内側から扉が開かないように設定することができます。
内側からサムターンを回しても開かないようになります。設定は簡単で、在室モードから外出モードに切り替えるだけです。
もちろん外側からは、鍵で通常通りに施解錠することができます。
在室モードにしておくと、通常通り、内側からも施解錠することができます。徘徊対策としてだけではなく、小さなお子様がおられるような場合でも安心です。
夜間やご家族の外出時などどうしても不安な時には、外出モードにして外側からロックしておくといいでしょう。 -
安心錠(サムターン着脱式補助錠)
家研販売株式会社から販売している安心錠は、内側からロック解除するためのサムターンを外すことができる優れモノです。
外側からは鍵を、内側にはサムターンを差し込んで施解錠を行うという「両面シリンダータイプ」の鍵となっています。外したサムターンはなくすことがないように、磁石式となっています。
金属の扉などに付けておくことができます。外出時にサムターンを外して、外側から鍵をかけると、内側からはサムターンをまわすことができませんので、外に出ることができません。
サムターンまわしの対策としてもたいへん有効ですから、セキュリティ面においても万全だといえます。 -
MIWA U9 ND2S(サムターン着脱式補助錠)
美和ロック株式会社から発売されている「MIWA U9 ND2S」もサムターンが取り外せるタイプとなっています。
本体幅が31ミリと小さくてコンパクトであるのが特徴です。
厚い扉に付けることはできないので、勝手口などの扉に向いている鍵だといえます。徘徊では、勝手口から出てしまうことも想定できますので、この鍵が適しています。
またセキュリティ面においても、ガラス面を壊してサムターンをまわそうと思ってもできませんから、安心してお使い頂くことができます。 -
THL-56(サムターン着脱式補助錠)
株式会社フキから発売されている「THL-56」もサムターンが取り外せるタイプとなっています。
取り付け強度が高く、無理やりもぎ取るような破壊にも対応できています。もちろんサムターンが外せるタイプになっていますからガラス面を壊してサムターンをまわそうと思ってもできません。
セキュリティ面においても、安心してお使い頂くことができます。 -
GMD-500(万能型取替用ドアノブ)
株式会社大黒製作所から発売されている「GMD-500」もサムターンが取り外せるタイプとなっています。
国内メーカから販売されているインテグラル錠(ドアノブ)に対応していますので、勝手口などのドアノブの交換に適しているといえるでしょう。耐ピッキング性能は10分以上で、セキュリティ面においても、安心してお使い頂くことができます。
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デジタルロックスーパースリム(着脱サムターン仕様)
朝日工業株式会社から発売されている「デジタルロックスーパースリム」は鍵のいらない引き戸・ドア兼用の玄関錠です。
取り付けがとても簡単で、電気配線などは必要になりません。
セットした番号ボタンを押すと施解錠することができます。内側からはサムターンで施解錠することができますが、サムターンが取り外せるようになっています。
合いカギなどで開けることもできませんから、安心してお使い頂くことができます。 -
デジタルドアロック5700(着脱サムターン仕様)
株式会社太幸(TAIKO)から発売されている「デジタルドアロック5700」は鍵のいらない引き戸用の玄関錠です。
右側でも左側でも取り付けできるようになっています。内側からはサムターンで施解錠することができますが、サムターンが取り外せるようになっています。
合いカギなどで開けることもできませんから、安心してお使い頂くことができます。 -
HD-200(着脱サムターン仕様)
家研販売株式会社から販売している引き戸用の鍵です。
万能型で、おおむねどの引き戸にも取り付けすることができます。
サムターンが取り外せるようになっています。
徘徊対策でおススメできる窓の鍵
徘徊対策として考えておかねばならないことは、玄関や勝手口だけではなく、窓やサッシから出られる可能性もあるということです。
ここでは、窓やサッシに備え付けることができる便利な鍵をご紹介したいと思います。
お困りの際には、ぜひご相談ください。
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鍵付きクレセント錠
家研販売株式会社から販売している鍵付きのクレセント錠です。
万能型クレセント錠ですから、多くのサッシに取り付けることができます。
サッシの鍵を「鍵付き」にすることができますから、徘徊対策としてはもちろんのこと、セキュリティ対策としても安心できます。 -
鍵付きファスナーロック・サッシガードなど
窓用の補助錠になります。ホームセンターなどにおいても安価で販売されています。
さまざまな種類のものが販売されています。窓やサッシのクレセントを回しても、このファスナーロックなどを解除しないと開きませんから、徘徊対策となるでしょう。
徘徊対策の鍵の設置は老人福祉分野も手掛ける当社にご相談を!
徘徊対策についてまとめてみました。
徘徊でお困りの方、ご不安な方は、当社にぜひご相談ください。
当社では、老人ホームや養護施設、幼稚園などにおいても開放制限などを始め、無断外出などの対策において、カラクリ錠など、さまざまな鍵の施工をしてきました。
みなさまのお悩みに則したご提案ができると自負しております。
ぜひご相談頂きますようお願い申し上げます。